関東の名手、石神深一騎手(40)が土曜の小倉サマージャンプ(J・G3、芝3390メートル、27日)で空前絶後の大記録に挑む。コンビを組むのは昨年覇者で連覇を狙うアサクサゲンキ(せん7、音無)。勝てば障害重賞全6場完全制覇(現役3人目)&史上初の障害重賞完全制覇(10競走)だ。
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名手石神が待ちに待っていた週末が今年もやってくる。年に1度の小倉障害重賞。「達成したい」と願ってきた障害全6場重賞制覇は王手をかけてからが厳しかった。平地重賞とは異なり、チャンスは年に1度。しかも夏の小倉は関東馬の遠征が極端に少ないのだ。
今年は最大のチャンスがやってきた。パートナーは昨年覇者の関西馬アサクサゲンキ。主戦を務めるベテラン熊沢騎手がけがで戦列を離れているため、勝負強さに定評のある関東の名手へ白羽の矢がたった。「かなり早い段階で騎乗依頼をいただきました。すごく力のある馬なのでうれしかったし、依頼を受けた後はずっと馬を研究してきた」。初コンビとなった新潟JSは5着に敗れたが、控える競馬で最後は脚を使えており、「やっぱりいい馬だとわかりました。次につながる競馬だったと思います」と手応えは上々だ。
絶対王者オジュウチョウサンの主戦として誰もが知っている存在。先日は障害通算100勝を達成し、障害重賞全10競走完全制覇にも王手をかけている。本来障害重賞を実施していない中京で21年阪神JS、22年京都HJを制しており、今回勝てば異例の障害7場制覇になる。そんな百戦錬磨の男が苦手意識を持っていたのが小倉だった。昨年から冬の小倉開催で障害が組まれ、騎乗機会を増やすことに成功。通算27戦目となった今年1月15日の未勝利戦(リバーシブルレーン)で小倉初勝利を挙げ、今年は小倉で計3勝している。「自信にはなりました。ただ、向正面のスタート(2860メートル)と今回のコースはまた違います。レースまでにしっかり準備をしていきたい」と気合を入れる。レース前日金曜は競馬場でコースをスクーリング(下見)。「先輩も後輩もどの騎手もみんな隙のない競馬をしてくるはず。もちろん、このレースだけではないですけど、1年間の中で目標にしているレースです。負けたくない」。夏の大一番、名手の立ち回りから目が離せない。【木南友輔】