JRA現役最年長・柴田善臣騎手22年初V 度重なる負傷乗り越え「やっぱり楽しい」/三鷹特別

グラスミヤラビで三鷹特別を制して今年初勝利を挙げ、笑顔を見せる柴田善騎手(撮影・丹羽敏通)

<三鷹特別>◇9日=東京◇芝1400メートル◇3歳上2勝クラス◇出走11頭

往年の手綱さばきがさえ渡った。柴田善臣騎手(56)が騎乗した6番人気グラスミヤラビ(牝3、大江原)が直線で差し切り、同騎手は昨年11月6日以来、11カ月ぶりの勝利を果たした。

レース後の口取りにはファンが駆けつけ、惜しみない拍手を送った。引き揚げてきた鞍上は「いいですね。やっぱり競馬に乗るのは楽しいですよ。騎乗依頼をいただくからには、100%以上かなえてあげないといけないと思って乗っている。ファンも見に来てくれてうれしいです。体を前の状態に戻して、期待に応えられるように頑張りたい」と勝利の味をかみしめた。

頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアのため、昨年12月から今年の5月下旬まで騎乗を休養。8月13日にも右手首を負傷し騎乗を見送るなど、けがとの戦いもあったが不屈の精神で騎乗を再開。春の褒章では長年の功績をたたえられ、黄綬褒章を受章。夏の札幌でのワールドオールスタージョッキーズにも選出され、第3戦では11番人気のユウゲンを2着に導くなど、随所で名手の意地を見せてきた。「乗るための努力や乗った後はきついけど、それでも競馬は楽しいという気持ちが上回っている。そういう気持ちがなくなってくるとムチを置くんだろうけど、まだまだ楽しさがあるからね」と鞍上は競馬への思いを口にする。JRA現役最年長騎手の馬上生活はまだまだこれからだ。【舟元祐二】