【フェブラリーS】レモンポップV、連対率100%の新ダート王は世界挑戦が選択肢に

フェブラリーSを制したレモンポップ(右から2頭目)。左端から3着メイショウハリオ、2着レッドルゼル

<フェブラリーS>◇19日=東京◇G1◇ダート1600メートル◇4歳上◇出走16頭

新ダート王が誕生した。レモンポップ(牡5、田中博)が1番人気に応え、根岸Sに続く重賞連勝を果たし、G1初挑戦でビッグタイトルをつかんだ。

好位から抜け出し、勝ちタイムは1分35秒6。今後は馬の状態を見極め、選出されているドバイゴールデンシャヒーン(G1、ダート1200メートル、3月25日=メイダン)を視野に入れる。テン乗りの坂井瑠星騎手(25=矢作)は昨年の秋華賞、朝日杯FSに続くG1・3勝目を挙げた。

   ◇   ◇   ◇

レモンポップが力の違いを見せつけた。決してベストでないマイル、初G1、中2週の詰まったローテなど不安要素も何のその。好位に構え、直線でねじ伏せるいつもと変わらぬ正攻法の競馬。その強さを誇示して、周囲の雑念を振り払った。

初コンビで一発回答の坂井騎手は、両手を上げてガッツポーズ。笑顔で検量室に引き揚げてきた。「ありがとう」と相棒に優しく声をかけ、感謝の思いを馬上で伝えた。「プラン通りでした。レースでは想像以上にどっしりしていて安心感がありました。(先頭に並んで)どれだけ追い出しを我慢できるか、そこだけでした。負ける感じはなかったです」と胸を張った。さらに「すごい馬だと思いました」と、新ダート王の今後の活躍に太鼓判を押した。

25歳の若武者は、ここ半年でG1・3勝と勢いが増す。テン乗り、G1・1番人気のプレッシャーをはねのけて陣営の期待に応えた。「すごくチャンスのある馬の依頼をいただけて、何とか結果を出したいと思っていました。かなりプレッシャーも感じましたが責任を果たせてホッとしています。ここで結果を出せたことは自信になります」。慌てることなく馬の力を信じ抜いた。この勝利が自身のハートをさらに強くするはずだ。

これで新ダート王は11戦8勝、2着3回の連対率100%を継続。いまだに底は見せない。今後のプランに田中博師は「千六のG1を勝ち、可能性の幅が広がりました。スピードのある馬で千四、千二も視野に入ってくる。(ドバイは)初の千二、かつ海外遠征なので慎重に見極めて判断したい」としながらも、世界への挑戦が選択肢の1つになった。どこまで高みを目指せるのか。この日の勝利は、さらなる飛躍への大きなステップになる。【井上力心】

◆レモンポップ ▽父 レモンドロップキッド▽ 母 アンリーチエイブル(ジャイアンツコーズウェイ)▽牡5▽馬主 ゴドルフィン▽調教師 田中博康(美浦)▽生産国 米国▽戦績 11戦8勝▽総取得賞金 2億8843万8000円▽主な勝ち鞍 23年根岸S(G3)▽馬名の由来 レモンスカッシュ