【桜花賞】リバティアイランドに伝説の予感…豪脚一閃、異次元の末脚でまず「1冠」

直線突き抜けて桜花賞を制したリバティアイランド(撮影・白石智彦)

<桜花賞>◇9日=阪神◇G1◇芝1600メートル◇3歳牝◇出走18頭◇5着までにオークス優先出走権

伝説の予感がする-。リバティアイランド(中内田)が後方から鮮やかに差し切り、単勝1・6倍の断然人気に応えた。

勝ち時計は1分32秒1。川田将雅騎手(37)は史上6人目の桜花賞連覇を達成。中内田充正調教師(44)はクラシック初制覇を果たした。5月21日東京のオークス(G1、芝2400メートル)にもつながる快勝で、まずは「1冠」を獲得した。

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散ってしまった桜の代わりに、リバティアイランドの末脚が仁川を彩った。後方から鮮やかに差し切る完勝劇。圧倒的な能力の高さで1冠を手にした。

戴冠を待つこの日の女王は泰然自若だった。パドックでの様子は川田騎手が「穏やかすぎるくらい穏やかだった」と話すほど。レースでは鞍上が促しても進んでいかず、後方3番手からの追走になった。「彼女はそういう気分だったのかなと。直線で動けるように準備しながら4コーナーまで歩んできました。あとは動いてくれるのを信じていました」。

直線に向いてもポジションは変わらず、先頭は遠かった。大外から脚を伸ばすも、前も伸びる。さすがに届かない-。人々がそう思ってからが圧巻だった。上がり3ハロン32秒9。その末脚には誰も抗えない。勢いそのまま、ゴール前で先頭のコナコーストを3/4馬身とらえた。

開業12年目でクラシック初制覇をつかんだ中内田師は「ホッとしている。(直線は)ドキドキしながら頑張ってくれ、と。すごい馬だなと思いました」と胸をなで下ろす。手に汗握るレースに「心臓にあまりよくない競馬」と肝を冷やしたようだ。

桜花賞連覇の川田騎手は、かつての相棒14年桜花賞馬ハープスターを思い浮かべた。

「僕の経験が浅くて、彼女自身を走らせることができなかった。その経験があり、積み重ねがあり、これだけの馬を任せていただけるように。その中でリバティアイランドが阪神JFから桜花賞に順調に進められたのは、ハープのおかげだと思っています。ハープの存在は大きいです」

そのかつての相棒とはつかめなかった樫の女王、そしてその先の栄光へ。「この経験がオークスに生きることを期待しています」。世界一まで登りつめた名手と、底を見せぬ大器。桜の王冠だけでは、まだまだ足りない。【下村琴葉】

◆リバティアイランド ▽父 ドゥラメンテ▽母 ヤンキーローズ(オールアメリカン)▽牝3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 中内田充正(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 4戦3勝▽総収得賞金 2億5204万6000円▽主な勝ち鞍 22年阪神JF(G1)▽馬名の由来 米、アッパーニューヨーク湾の自由の女神像が建っている島