地方競馬の南関東3冠は来年から中央馬も含む3歳ダート3冠に変わる。1冠目の羽田盃、2冠目の東京ダービーは今年が南関東限定での最後。その節目の年にミックファイア(牡、渡辺和)がデビュー5連勝で2冠を達成した。3冠目は12日大井のジャパンダートダービー(Jpn1、ダート2000メートル)。最後の南関クラシックで無敗の3冠馬が誕生か。中央馬も参戦する最終関門を前に渡辺和雄調教師(51)に聞いた。【取材=牛山基康、渡辺嘉朗】
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-デビュー5連勝で南関東2冠を達成。当初から手応えを感じていたか
渡辺和師 新馬戦の前に併せて追い切って、相手を突き放してまっすぐ伸びてきた。「これは走るな」と思いましたね。とりあえず新馬戦は楽勝だろうと。
-新馬戦、2戦目とも5馬身差の逃げ切り。2戦連続で1600メートルを圧勝
渡辺和師 2戦目を1分40秒7(昨年の大井1600メートルではハイセイコー記念などを上回り2歳最速)で走った時に「あ、これは来年の主役だろうな」と。
-2歳時は3戦3勝。距離延長の3戦目も3馬身差で逃げ切った
渡辺和師 クラシックに向けて1800メートルの特別を選んで。初ナイターでテンションが上がって、それでも強かった。「これは相当だな」と思い、ソエもあるので今年に備えて休養に出したら、1カ月ぐらいして爪が割れたという連絡。やれることをやり、2月の雲取賞に向けて戻したけど、1本目の追い切りで割れた爪から血が出ていて…。
-よもやの裂蹄で雲取賞を断念。それからは
渡辺和師 秋まで休養かと悩みながら引き運動だけさせていたら、徐々に歩様がよくなって、羽田盃には間に合うかもしれないと。それなら同じことをしていても駄目だと。うちはミッドウェイファームにも馬房があってウッドチップの坂路が使えるんだから、使わない手はないだろうと。
-休み明けの羽田盃、初距離の東京ダービー、どちらも2番手から4角先頭で、レースレコードの6馬身差圧勝。無敗で南関東3冠に挑む
渡辺和師 羽田盃は出走順もぎりぎりで、爪の方もまだ半信半疑。なんとか間に合ったという感じでしたが、東京ダービーは順調にいけた。結果的にジャパンダートダービーが休み明け3戦目。3冠がかかって無理して出るのではなくて、今回が一番体調がいいと思うので、となるとチャンスがあるのかなと思う。
-中央馬との初対戦。勝算は
渡辺和師 ゲートもテンも速く、道中も折り合いがついて、それでいて速い上がりが使える。レースに関しては文句のつけようがないです。それができるのは並外れた心肺能力があるからだと思う。東京ダービーより速いペースで行っても同じような上がりが使えると思うので、ということは時計は詰まります。それで前をつかまえきれなかったらそれは仕方ない。相手がとんでもない馬。今までは直線に向いた時に前に馬がいたことがないので、そこだけですね。
◆無敗の南関東3冠馬 01年に当時3冠だった羽田盃、東京王冠賞、東京ダービーを船橋のトーシンブリザードが史上初の無敗で制覇。ジャパンダートダービーも勝ち、無敗の南関東4冠馬となった。01年を最後に東京王冠賞が休止され、02年から羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーが南関東3冠。それ以降、3冠馬の誕生はない。
◆渡辺和雄(わたなべ・かずお) 1972年(昭47)1月21日生まれ、群馬県出身。厩務員を経て、07年に調教師免許取得。08年に大井競馬場に厩舎開業。地方通算4561戦347勝、重賞はユーロビートの15年マーキュリーC(Jpn3)、クレイジーアクセルの19年クイーン賞(Jpn3)など17勝(9日現在)。