<天皇賞・秋>◇2013年10月27日=東京◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走17頭
2週連続でユーイチ祭りだ! 前週の菊花賞を制した福永祐一騎手(36)騎乗の5番人気ジャスタウェイ(牡4、須貝)が初のG1タイトルを手にした。メンバー唯一となる34秒台の末脚で、昨年の年度代表馬ジェンティルドンナ(牝4、石坂)に4馬身差をつける圧勝。今後は未定だが、ひと息入れて12月22日中山の有馬記念(G1、芝2500メートル)を視野に入れる。
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またユーイチだ。前週の菊花賞で牡馬クラシック初制覇を果たした福永騎手が、秋の盾を豪快にもぎ取った。
5番人気の相棒ジャスタウェイと五分のスタートを切り、道中は中団を確保。エイシンフラッシュを斜めに見ながら、「トーセンジョーダンが勝った時(11年)のポジションだな」とほくそ笑みながらレースを進めた。4角をまわり直線で外に持ち出すと、内のジェンティルドンナが視界に入らないほどの豪脚を発揮。「僕が戸惑うくらい。あっという間に置き去りに…」。そのまま女王に4馬身差をつけてゴールした。
「うれしいですね。2歳から乗せてもらっていた馬でG1を取るのは、達成感がある」。自身は2週連続のビッグタイトル、そしてジャスタウェイは2勝馬初となる秋の盾制覇。人馬で成し遂げた快挙にすがすがしい表情を見せた。
父洋一さんが天才ジョッキーなら、ユーイチは努力の天才といえるかもしれない。台風27号の影響で土曜は不良馬場に。秋晴れの日曜はやや重でのスタートとなったが、内、外どこを通れば馬が伸びるのかと、朝に芝コースを歩いた。「こういう馬場の日はどんな傾向になるのか見極めるために。そうやって経験が蓄積されていく」。午後には良馬場に回復したが、「走りにくいのにタイムが出る難しいコンディション。乗りながら馬場状態を感じることができたのも大きかった」とジャスタに負担のかからない道筋を進ませた。
課題のゲートを決められたのも決して偶然ではない。「五分の発馬を切らないと勝機はないと思っていた。やっときゃ良かったと後悔したくない」と、この日のレース前にゲートに入れてみた。その効果もあってか、いつもはゲート内で落ち着きがないジャスタが好スタートを切り、好ポジションからの豪脚につながった。
「最高のステータス。『君が代』を聞いてすごく集中できました。おごそかな気持ちでゲート入りしました」。特別な思いのある秋の盾初制覇でさらに加速したユーイチが、妻の翠さん(30)、来年誕生予定の子供にうれしい報告を届け続ける。【平本果那】
大和屋暁オーナー、通算4勝目がG1勝ち「頭が真っ白に」
人気アニメ「銀魂(ぎんたま)」の脚本家であるオーナーの大和屋暁氏(41)は、両手を大きく広げ須貝師に抱きついた。ジャスタウェイは銀魂に出てくるキャラクター。優勝写真に納まる際は、人形を手に満面の笑みを浮かべた。「直線は頭が真っ白になりました。福永さんがうまく乗ってくれたし、関係者が頑張ってくれたおかげ。今年の初勝利がまさかこんなに大きなレースになるなんて…」。13年初Vが秋の盾。しかも、個人馬主として通算4勝目でのG1勝ちだ。幸運としか言いようがない。
以前ハーツクライの一口馬主だった縁から、現在所有する3頭(ほかにオツウ、バンデモニウム)すべてが同産駒。特に、初の新馬勝ちから重賞初制覇(12年アーリントンC)、そして初G1をプレゼントしてくれたジャスタウェイは一番の孝行息子だ。「今年は本厄でいいことがなかったんです。でも、今日やっときました」。大舞台を制し夢は世界へと広がる。「この後は休ませるようですが、その後はドバイへいってみたい。デューティフリーかシーマクラシックあたりに」。輝かしい未来が幕を開けた。【和田美保】
◆ジャスタウェイ▽父 ハーツクライ▽母 シビル(ワイルドアゲイン)▽牡4▽馬主 大和屋暁▽調教師 須貝尚介(栗東)▽生産者 (有)社台コーポレーション白老ファーム(北海道浦河町)▽戦績 16戦3勝▽総収得賞金 2億9992万6000円▽主な勝ち鞍 12年アーリントンC(G3)▽馬名の由来 その道。漫画のキャラクター名でもある
(2013年10月28日付 日刊スポーツ紙面から)※表記は当時