「行かないの、サンタ、アニータ?」「あれ、面白かったよ」「書いてあった本、今度読んでみたい」。今朝は馬上の助手さんから、すれ違う調教師さんから、何度も声を掛けていただきました。「美浦便り」とか、「函館便り」とか、「新潟便り」とか、「府中便り」とか、署名入りで書かせてもらうと、直接の反応がたくさんあって、うれしいですね。
今朝の美浦トレセンは素晴らしい好天。朝は涼しく、太陽が昇ると、ポカポカ。さわやかに取材できました。京王杯2歳S、百日草特別、ファンタジーSなど、今週は楽しみな2歳戦が多いです。秋陽ジャンプSも楽しみです。
先週、プレエントリーが発表されていたブリーダーズカップ(米国)の諸競走は、現地時間の昨日、日本時間の今朝、出走馬と枠順、鞍上が確定し、モーニングライン(主催者発表の単勝想定オッズ)が発表されました。9RのBCクラシックは混戦ムード。8RのBCターフは欧州勢が豪華。6RのBCマイルはソングラインが中心。4RのBCフィリー&メアターフは英国のインスパイラルが一応の中心かな、と。
馬券発売する4レース以外にも日本調教馬は、金曜のBCジュベナイルにエコロネオ、土曜5RのBCフィリー&メアスプリントにメイケイエール、10RのBCターフスプリントにジャスパークローネが出走予定です。
各レースの顔触れを見て、馬名を見て、それから競馬関係者が気にしているのが…、「どんな牝馬が出ているのかな」ということ。ブリーダーズカップは米国の生産者たちがつくった競馬の祭典であり、世界中の生産者にとって、今後の生産へ向けた確認の場になります。レースそのものもそうなのですが、「われわれはここが勝負」とパドック(パレードリング)や装鞍所で牝馬ばかりを見ている人(ブラッドストックエージェント)もいます。
「【BCディスタフ】昨年覇者モノモイガールは10億円…計り知れぬVの価値」
(https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=202111080000739&year=2021&month=11&day=08)。
2年前、矢作厩舎の2頭がBCで歴史的な勝利を挙げたとき、BCディスタフのマルシュロレーヌの快挙について、自分はこのような記事を書きました。
今年、メイケイエールの出走する「BCフィリー&メアスプリント」は馬券発売がないので、日本での注目度は他の馬券発売のレースに比べ、低いかもしれませんが、ファンの皆さんにも知ってもらいたいことがあります。
例えば、モーニングラインで1番人気になっている昨年覇者で、連覇を狙うグッドナイトオリーブはレース翌週、7日に行われるファシグティプトン社のノベンバーセールのカタログにその名前があります。ヒップナンバー(上場番号)237番で上場予定です。連覇を果たしたら、彼女の落札額はいくらになるのか。8日からはキーンランド社のノベンバーブリーディングストックセールも始まります。日本の生産者たちもブリーダーズカップ諸競走に出走する馬たち(将来の牧場を支える繁殖牝馬であったり、あるいは、将来日本へやってくる種牡馬であったり…)にパドックで熱い視線を送っています。
「大きなG1レースを走って、翌週の繁殖牝馬のセールで上場される」-。日本ではなかなかイメージしづらいのですが、ブリーダーズカップはその流れの中で大事な舞台です。
「BCフィリー&メアスプリント」について言えば、牝馬限定戦ではありますが、北米のスピード自慢の牝馬が集まる素晴らしいG1。そして、日本の生産者たちはこのレースで活躍した馬を高く評価してきました。過去の勝ち馬を見ると、2010年ドバイマジェスティ(皐月賞&大阪杯を制したアルアイン、ダービー馬シャフリヤールの母)、11年ミュージカルロマンス(今年の札幌2歳S1番人気ガイアメンテの母)、15年ウェイヴェルアベニュー(朝日杯FSグレナディアガーズの母)。12年の2着はダストアンドダイアモンズ(ダービー馬ドウデュースの母)でした。
メイケイエールの出走は初ダートであり、かなり厳しい戦いになるかもしれませんが、好走したり、勝ったりすれば、彼女の競走馬としての能力だけでなく、将来的な繁殖牝馬としての期待値も跳ね上がることになります。シャフリヤールのお母さん、ドウデュースのお母さんが走ったスゴいG1レースです。陣営の挑戦、素晴らしいと思います。
そして、日本のダービー馬として、シャフリヤールがBCターフに挑むことも、彼の母がBCフィリー&メアスプリントを勝った馬であることで、血統の里帰り的な面白さがあります(もちろん、今回、BCに遠征する日本調教馬の多くにBCクラシック覇者サンデーサイレンスの血が流れていることもドラマですが…)。
関東馬が強くて、美浦トレセンはなんだかいいムードな気がします。明日は水曜。寝不足が続きます。
【木南友輔】