<THE Jockey 川田将雅(2)>
矢作師の脳裏には、ラヴズオンリーユーにまたがり、アメリカの空に向かって両手を広げる川田騎手の姿が焼き付いている。21年の秋、競馬史に残る偉業が達成された。「世界のYAHAGI」が日本馬として初めてBC制覇&2勝。川田騎手とはラヴズでBCフィリー&メアターフを勝利。ともに涙を浮かべ、抱擁するシーンは感動的だった。
矢作師 ブリーダーズCは世界最高峰のレース。米陣営は、春はケンタッキーダービー、秋はブリーダーズCを取りにくる。それを日本馬が狙って取りに行き、初めて取れたことが何よりうれしかった。
その偉業の裏側には鞍上の“神騎乗”ともいえるレース運びがあった。
矢作師 1周目にライアン・ムーア(騎手)とのポジション争いで、負けてなかった。内に入れさせなかったからね。最後もデルマー(競馬場)の直線は短いし、勝つならあそこを抜けてくるしかなかったと思う。素晴らしい騎乗だった。
緻密に計算された進路取り。過去5度のリーディングに輝き、常に世界へ目を向けてきたトップトレーナーもうなる騎乗だった。
矢作師 リーディングが示す通り、川田騎手は間違いなく日本では抜けているジョッキー。いつも瑠星(坂井騎手)と川田騎手に勝つにはどうしたらいいかという話をする。歴代の日本人騎手を見ても、トップクラスだと思う。
矢作師から語られる力強い言葉の数々。ジョッキー川田将雅が、再び米国の空へ両手を広げるシーンが目に浮かぶ。【藤本真育】