20日朝は中山競馬場へ。有馬記念に出走すべく、18日に現地入りしたシャフリヤール(牡5、藤原英)の調教を取材してきました。記者は自分ひとりだけでした。こういったレアケースの取材は他社と合同の、いわゆる囲み取材ばっかり。ですが、うれしいことにマンツーマンで藤原英師に話を聞くことができました。
21年ダービー馬。本当は2週前に香港のシャティン競馬場で香港ヴァーズを走っているはずでした。主催者判断で出走がかないませんでしたが、有馬記念にすぐさま照準を切り替えました。トラブルがあれば帰国、即出走なんて考えにくいこと。着地検疫もこなせばならないのですから。個人的には状態面を不安視する必要なんてないと思っています。
図らずして、いい偵察もできました。同師に話を伺えたのは芝コースの上。歩きながら、ぐるっと1周。芝を踏みしめ、馬場状態を確かめる藤原英師の横であれやこれやと質問をぶつけさせてもらいました。そちらは明日以降の紙面やネット記事に譲るとして、馬場状態の良さには驚きました。
有馬記念開催週に中山競馬場の芝を歩いたのは20年、21年に続いて3回目。20年は3~4角にかけて轍(わだち)が内ラチからくっきりと4本通っていたのをよく覚えています。翌21年は前年に比べて格段に芝が残っていて、最内1頭分の芝がなくなりかけているだけ。轍と呼べるまでには至っていなかったと記憶しています。
開催日の天気も影響しますが、かつてJRAの馬場造園課の方は芝育成期の夏場にシャタリング(注1)、エアレーション(注2)と呼ばれる作業の実施時期を毎年微妙に変えているため、芝の根付き方にも影響しているとレクチャーしてくれました。
21年当時の動画「【有馬記念】松田記者が中山競馬場の芝状態をチェック」もぜひご覧ください。
2年ぶりに歩いた今年は、21年よりもさらにいい馬場。ところどころ芝ははげていますが、3週間の開催を終えたとは思えないほどきれいでした。数字にも馬場の良さが表れています。5回中山の芝で上がり3ハロン1位の馬が33秒台を計時していたレースはすでに4鞍で、路盤が改修された15年以降では最多です(20年は0鞍、21年は1鞍)。
そうなると、やはり今年の有馬記念は例年の内枠有利に拍車がかかると考えていいのかもしれません。藤原英師も「内枠必須やな」とぽつり。21日夕方は恒例の公開枠順抽選会が行われます。本命候補は片手で収まる頭数にまで絞っていますが、枠を見て最終判断をしたいと思います。【松田直樹】
注1 シャタリング なた状の回転刃で芝馬場に一定間隔で切り込みを入れていく作業。路盤を横方向に大きく揺さぶりほぐす効果もあり、エアレーション以上に馬場のクッション性を高める効果がある。
注2 エアレーション 芝コースに小さな穴を一定間隔で開けて、路盤の通気性を向上させるとともに、クッション性を向上させる作業。