「2023年度JRA賞」が9日に決定し、G1・4戦4勝と完璧な成績を残したイクイノックス(牡5)が2年連続で年度代表馬となった。父キタサンブラックも16、17年に年度代表馬に選ばれており、史上初めて父子で2年連続年度代表馬の名誉を手にしたことになる。今年から種牡馬入り。シルクレーシングの米本昌史代表は、生まれてくる産駒に同馬が成し遂げられなかったクラシック制覇の夢を託した。(年齢は明け年齢)
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当然の結果ともいえるV2だ。世界最強にまで上り詰めたイクイノックスが今年も年度代表馬に選ばれた。昨年は288票中282票での選出で、今年は295票中293票を獲得。レースでの走り同様、得票率99・3%の“圧勝”で新たな勲章を手にした。最優秀4歳以上牡馬では同294票を獲得。ノーザンファーム生産馬が6年連続、全競走馬の頂点を極めた。
敵無しの1年間。国内外で無双した。主戦のルメール騎手は「ハイレベルで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれ、4戦4勝というパーフェクトな成績を残してくれました。私にとっては忘れられない馬です」。管理した木村師は「23年は初海外、関西圏でしっかり勝ち切り、秋2戦は世界中のファンの皆さまに納得していただける、世界一のパフォーマンスをしてくれたと思っております」と胸を張った。
トラックレコードで逃げ切ったドバイシーマC、帰国初戦の宝塚記念、天覧競馬をスーパーレコードで制した天皇賞・秋、そして引退戦のジャパンC…。最後の走りを終えると、ルメール騎手を始め、厩舎スタッフは涙を流して健闘をたたえていた。負けられない重圧に耐え続けた1年でもあった。23日に確定する昨年度のロンジンワールドベストレースランキングでは、レーティング129ポンドで世界1位を堅持。2年連続の年度代表馬受賞は、キタサンブラック(16、17年)に続く史上5頭目(87年のJRA賞制定後)。親子で2年続けて、トップオブトップに輝いたのは史上初となった。
夢は終わらない。同馬を所有した(有)シルクレーシングの米本昌史代表は「天皇賞・秋とラストランとなったジャパンCでのこの馬の完成形とも言える走りは、とても印象的なものでした。早ければ27年にはデビューしてくるイクイノックスの子どもたちには、本馬が成し遂げられなかったクラシック制覇を期待したいと思います」と思いを次世代に託した。種牡馬として設定された種付け料2000万円は即満口。最強の系譜を受け継ぐ子どもたちの誕生が待たれる。【松田直樹】
■選考過程
各部門の受賞馬は記者投票により決定される。23年度は有資格者295人による投票の結果、全部門の得票数1位馬が受賞決定の条件となる3分の1以上(99票)を得て、選出された。年度代表馬も293票のイクイノックスがあっさりと2年連続受賞を決めた。どの部門でも満票選出がなかったのは07年以来、16年ぶり。競走馬の特別賞受賞は20年クロノジェネシス以来、3年ぶり。
◆イクイノックスのクラシック成績 皐月賞は前年の東京スポーツ杯2歳S以来という異例のローテ。大外18番枠から上手に立ち回り、残り1ハロンでいったんは先頭に立ったが、最後に僚馬ジオグリフに1馬身かわされた。ダービーはまたも大外18番枠。直線で外を伸びて上がり最速の脚で追い上げたが、ドウデュースを捉えることができず首差で惜敗した。生涯で負けたのはこの2戦だけ。秋は菊花賞に向かわず天皇賞・秋を制した。
◆イクイノックス▽父 キタサンブラック▽母 シャトーブランシュ(キングヘイロー)▽牡5▽馬主 (有)シルクレーシング▽調教師 木村哲也(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 10戦8勝(うち海外1戦1勝)▽総獲得賞金 22億1544万6100円(うち海外4億5889万100円)▽馬名の由来 昼と夜の長さがほぼ等しくなる時
◆JRA賞 競馬と馬に関する特に優れた業績に対してその栄誉をたたえ、感謝の意をあらわすもの。前身は1954年に啓衆社がスタートさせた啓衆賞で、72年からJRA発行の雑誌「優駿」が主催していた。87年からJRAが主催となり現名称となった。