【新企画】ダートクラシック番付 今年初戦サウジで動向注目も横綱は文句なしフォーエバーヤング

【イラスト】ダートクラシック番付

<ダートクラシック番付>

今年から新たなダートクラシック路線が始まる。新ダート体系により、中央馬、地方馬がこれまで以上にしのぎを削ることになる。南関競馬の本紙を担当する渡辺嘉朗、同じく南関の牛山基康、中央記者で南関ファンの舟元祐二の3人が、ダートクラシック初年度を番付表にして語った。

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舟元 いよいよ始まりましたね。中央、地方の垣根を越えて全日本のダートクラシックが。

渡辺 お酒を飲みながら語ったら時間がいくつあっても足りないな。うっしーもそうでしょ?

牛山 そりゃあもう。そうですよ。

舟元 早速横綱から行きましょうか。今年は化け物がいますね。

渡辺、牛山 フォーエバーヤング! 

舟元 全日本2歳優駿の7馬身差圧勝は衝撃といっていいですよね。今年初戦は招待がくればサウジダービー参戦。そこ次第で海外転戦になるかもしれませんが、ダートクラシックの話をするならこの馬からでしょうね。

渡辺 そうだな。それにしても強い…。2走前のJBC2歳優駿とは違う先行だったから、若干でも脚が鈍るシーンがあってもと思ったけどぶっちぎった。個人的に1600メートルは短いと思うし、適性はおそらく1800~2000メートル。末恐ろしい、いやすでに恐ろしい。

牛山 ちょっと性能が違いすぎるかな。2走前までの行き脚のつかない競馬だったら付け入る隙があると思ったけど、しっかり修正できていた。現状はお手上げですね。

舟元 大関は、その全日本2歳優駿で2着のイーグルノワール。

渡辺 勝ち馬には離されたけど、東京のプラタナス賞、兵庫ジュニアグランプリを連勝しているからね。

牛山 正直、推したい馬がいるけど、ここは全日本2歳優駿1、2着馬の順当でいいと思うよ。

舟元 それなら関脇は同3着馬だった北海道のサントノーレとなるところですが、大井のダテノショウグン。うわさはかねがね聞いていますよ。デビュー5連勝でハイセイコー記念を勝って破竹の勢いですね。

渡辺 とにかくインパクトが大きい。鞍上の御神本訓史騎手の話しぶりも良かった。この馬の強さをかみしめるように「いいな」と。「レースでやるべきことを分かっている気がする」としみじみ言っていた。相手が上がった前走も難なく突破。中央馬とやるのが楽しみだよ。

牛山 大関にしたいくらいの逸材。ハイセイコー記念は砂を入れ替えたばかりだった。おおよそ2秒くらい時計が遅くなっているのに、4戦目よりも逆にコンマ1秒詰めた。新しい砂にめちゃくちゃマッチしている。ダートクラシックが全て大井で行われるという地の利はこの馬が一番あるね。

舟元 Jpn競走を走っていない中央馬からはまず2戦2勝のミッキーファイトを推します。22年チャンピオンズCを勝ったジュンライトボルトの半弟です。新馬戦の末脚も良かったですが、中山1800メートルに条件替わりした1勝クラスで好位から5馬身差勝ち。完成度はかなり高いですよ。

渡辺 プラタナス賞でイーグルノワールに首差だったライジンマルもいい馬だよね。

舟元 そうですね。この馬も大物感があるし、デビュー戦の1800メートルで8馬身差勝ちというのもあって、距離が長い方が良さそうですね。

牛山 プラタナス賞3着のアマンテビアンコは白毛一族だね。お母さんのユキチャンは08年に関東オークスを勝っているし、南関にもゆかりがあっていいね。

舟元 プラタナス賞は3着でしたが、3戦目のカトレアSが強かった。相手がそろった一戦で長くいい脚を使って勝ちました。ルメール騎手は「1600メートル以上がいい」と言っていましたし、面白い存在ですよ。

牛山 そしてサントノーレか。

渡辺 全日本2歳優駿で2着イーグルノワールに2馬身半差の3着。成長次第だけど、こちらも地方を引っ張ってくれる存在になってほしいね。

舟元 前頭4~6枚目は中央馬がずらり。バロンドールは芝のエリカ賞で7着も、ダートは【2・0・1・0】。昨年末の1勝クラスを勝った時の抜け出し方が力強かった。

牛山 アッシュルバニパルって新馬勝ちだけ?

舟元 実はこの馬が個人的に期待している馬です。

渡辺 ケイヴロックの全弟だよね。米G1・2勝した。

舟元 はい。父アロゲートは16年BCクラシックでカリフォルニアクロームを破り、17年ドバイWCも制しました。そのラストクロップですね。新馬戦は先頭に立ってから集中力を欠いていたように、まだまだ伸びしろがある馬ですよ。

牛山 アラレタバシルはダートに切り替えた近3戦で1、2、1着と充実。適条件を見つけた感があるね。

渡辺 そして最後にこの地方馬を入れさせてもらった。

舟元 フジユージーン。僕の下の名前が「ユウジ」なので親近感がありますね。

渡辺 軽口はそこまで。デビューから無敗の5連勝で南部駒賞を勝った大器。相手に合わせたレースしかしていない。

牛山 そうなんだよ。粗削り。ふらふらしていて真っすぐ走れていない。しかも540キロぐらいある超大型馬。体がしっかりしてきたらどれだけ強くなるのかという期待が高い。ストライド、何もかもがでかい。

舟元 気付いたらもう終電ですよ。始めに渡辺さんが言ったとおり話は尽きないですね。第1回はこれぐらいでしょうか。

渡辺 まだまだ話をさせてよ。

牛山 いっぱいいるよ。園田のマミエミモモタロー、佐賀のウルトラノホシとかね。

舟元 帰れなくなっちゃいますよ。挙げたらキリがないので、まずはここまでで! 今後の走りを見てどんどん更新していきましょう。南関記者の2人方、ありがとうございました! 

渡辺、牛山 ありがとうございました。

 

※不定期更新です

 

◆舟元祐二(ふなもと・ゆうじ)1994年(平6)6月6日、神奈川県生まれ。兄がやっていた競馬ゲームを見て競馬に興味を持ち、実家が南関東競馬の川崎競馬場の近くにあることから、足しげく通うように。そのため競馬といえばダートが基本だと思っていた。日本酒好き。生粋の南関ファン。趣味は読書と神社めぐり。20年4月入社。21年2月から中央競馬担当。

◆渡辺嘉朗(わたなべ・よしろう)1984年(昭59)5月24日、東京都生まれ。たまたまテレビで見ていた96年春の天皇賞で、サクラローレルに心奪われ競馬好きに。20代の頃はアルバイトと競馬場を往復する日々だった。16年から南関東競馬本紙予想担当。ヒモ抜け恐怖症のため単複派。愛称ナベちゃん。

◆牛山基康(うしやま・もとやす)1972年(昭47)2月5日、東京都生まれ。92年から日刊スポーツで編集補助アルバイト。暇さえあれば中央、地方を問わず競馬場に。96年から岩手競馬の専門紙で主に編集を担当。18年から南関東4競馬の現場記者。愛称うっしー。