高松宮記念参戦ビクターザウィナー、地元香港の実戦形式追い切りで抜群の動き「体調いい」

センテナリースプリントCを逃げ切ったビクターザウィナー(C)The Hong Kong Jockey Club

高松宮記念(G1、芝1200メートル、24日=中京)に参戦する香港のビクターザウィナー(セン6、C・シャム)が5日、シャティン競馬場のバリアトライアル(実戦形式の追い切り)で抜群の動きを見せた。1組目(芝直線1000メートル、8頭立て)に登場。好スタートから2番手に控え、フィニッシュライン手前で逃げ粘っていた馬を鮮やかに差し切った(時計は57秒92)。

昨年の香港スプリント(4着)、鮮やかに逃げ切ったセンテナリースプリントCでは強烈なロケットスタートを決めた馬。この日はレーティングの低い馬たちが相手のバリアトライアルだったが、控える競馬を試せたことに大きな収穫があったようだ。

香港ジョッキークラブの公式ニュースはデレク・リョン騎手のコメントを紹介。感触を確かめた鞍上は「(バリアトライアルは)良かったです。体調を整えたかったのと、それから、日本では他の馬が逃げたり、引っ掛かって行ったりすることが心配なので、彼が馬の後ろでどのような反応をするのかを見たかったです。とてもラッキーでしたね。今朝は1頭が前へ行ってくれたので、馬の後ろに入れようとしました。最初はキックバックを嫌がる感じでしたが、その後は頭を下げ、バランスを取って、スムースに行きました。勢いがありましたし、体調もいいです」と語っている。

リョン騎手は香港競馬で地元出身の最多勝騎手に贈られる「トニークルーズ賞」を2度受賞(16~17、17~18年)。17年の香港マイルをビューティージェネレーションで制した実績を持っている。ビクターザウィナーには前走がテン乗りで、今回は2戦連続の騎乗になる。「(日本遠征は)素晴らしいチャンスですし、ちょうどいいタイミングですね。馬の状態がいいです。左回りコースですし、(香港とは)違うペースになる。もっと研究して、馬を信頼したい。(自身は)韓国、ドバイ、ニュージーランド、フランス、イギリス、オーストラリアで乗ったことがあります。新型コロナウイルスの影響で海外へ出られなかったので、(この遠征は)非常にエキサイティングでグッドタイミングです。ビクターザウィナーは健康で、G1馬で、素直で、当日のコンディション次第になるでしょう。彼は単なる逃げ馬ではありません。かわされると止まってしまうと言われますが、追いかけることも好きです。位置については心配していません。スムースな走りをさせるだけです」と意気込みを語っている。