【大阪杯】ローシャムパーク田中博師、最終追い切りは「ためが利いた走りができていた」一問一答

会見するローシャムパークの田中博調教師(撮影・柴田隆二)

再び勢いに乗る。大阪杯(G1、芝2000メートル、31日=阪神)の最終追い切りが27日、東西トレセンで行われた。ウッドで6ハロン80秒6-11秒2を計時して僚馬ターコイズフリンジ(3歳1勝クラス)に1馬身先着。同馬を管理する田中博康(38)は共同会見に出席し、香港C8着後の調整過程などを語った。一問一答は以下の通り。

-前走の香港Cは8着。当時の調整過程を振り返って

田中博師 入厩してからカイバを10日弱食べられない日が続きまして、調整自体が遅れました。それでも最善を尽くしてやっていこう、と。これだけの馬ですからとてもいい動きをしていましたし、中身の面でも十分やれるのではというところで、出国検疫に入りました。カイバも少しずつ食べるようになりました。いつもと違う状態で香港に行くことになったのですが、動きに関しては十分かなと思って送り出しました。競馬は外枠で後手に回りましたが、そういうところのある馬なので、想定内でした。結果に結びつかなかったのは厩舎としては重く受け止めています。

-帰国後の調整過程は

田中博師 日本に戻ってからノーザンファーム天栄に放牧に出まして、順調に過ごせました。明け5歳になりますけど、フィジカルが成長したと誰が見ても感じるところがあったので、すごく楽しみしていました。帰厩してからもそれは感じられました。精神面はもう少し成長してほしいなと思ってはいますが、この馬自身、結果を出しているときから子どもっぽいというか、幼さが目立っていたので、そういった面では少しずつ良化しているかな、と思います。

-状態面に関しては

田中博師 今回はカイバの不安はひとつもなく、むしろカイバ食いは旺盛です。もともとそういうタイプだったので。不安なく調整できています。

-先週は折り合い重視。今週の最終追い切りのテーマと評価を

田中博師 一段、ベースが上がったなという認識ではあるので、今日に限らず、調教量はちょうどいいところを目指して増えてはいます。先週は戸崎騎手に確認してもらいました。少し乗りづらさというか、ためが利きづらい馬ではあるので、少しでも乗りやすいバランスにもってこれるかをテーマにずっと調整はしています。今日は乗り慣れた上野騎手に乗ってもらいまして、そのあたりを確認しました。ためが利いた走りができていたので、強度は特に意識はしていないですが、ちょうどよかったかなと思います。

-昨年は3連勝で重賞2勝。5歳を迎えての成長は

田中博師 香港で結果は出なかったんですけど、なにかしら思うところがあったのか、気持ちの面で耐えられるキャパが大きくなりました。もともと体力のある方でしたが、さらにベースが上がったのは実感しています。強い調教を課してますが、それに耐えうるだけの馬になった印象です。

-成績に安定感がある。この馬の魅力は

田中博師 一生懸命に走るところですね。手も抜かないですし、そこが武器でもあり、弱さにもなっているケースもあったんですけど、パフォーマンスを常に発揮できるのは気持ちの強さが大きいのかなと思います。

-阪神内回りコースは初体験。舞台適性は

田中博師 函館、中山と小回りの競馬場に対応してきた馬なので、そこまで不安は感じていません。香港には行きましたが、国内でいうと初めての長距離輸送になるので、そのあたりを考えた上で調整をしています。いいパフォーマンスを出せると思っています。

-位置取り、レース運び等のイメージは

田中博師 スタートが安定しないことが課題で、修正には取り組んで対策はしてきていますが、そこが安定しないのは残ると思います。正直、読めないですけど、武器は長い脚を使えることなので、それを生かすための位置取り、レース運びをジョッキーと相談して、この馬のストロングポイントを生かせるように、と思っています。

-阪神はタフな馬場が見込まれる

田中博師 馬場が悪くても走れる馬だと思っています。道悪を苦にするような走りのバランスでもないですし、馬場が悪いときに負けたこともありますが、状態面の問題かなと思っていますので。タフになるのはマイナスにはならないかな、と。

-最後に意気込みを

田中博師 大きな舞台で勝ち負けできる馬だと思っていますし、昨年の秋はそういったメンバーと対戦して勝つことができています。明け4歳世代とはまだ戦っていない状況なので、力差の比較はつきませんが、自分としても厩舎としても、海外ではありますが前回で大きく負けてしまった反省を生かして、なんとか挽回したい思いで調整しています。上位に食い込めるだけの状態に持ってこられたと思いますので、応援をよろしくお願いします。