ケンタッキーダービーが行われた先週末、英国では日本の皐月賞に当たる英2000ギニーが4日土曜に、桜花賞に当たる英1000ギニーが5日の日曜にニューマーケット競馬場の直線・芝1600メートルを舞台に開催されました。
今年最初の欧州クラシックとなる英2000ギニーはW・ビュイック騎手が騎乗したゴドルフィンのノータブルスピーチ(牡、C・アップルビー、父ドバウィ)が優勝、4戦不敗で栄冠に輝きました。
昨年の2歳牡馬王者で、単勝1・67倍の圧倒的支持を集めたシティーオブトロイ(牡、父ジャスティファイ)はレース途中に馬群に沈んで勝ち馬から17馬身近く離れた9着と期待を裏切りました。
この翌日に行われた英1000ギニーは、こちらもゴドルフィンの生産馬で、S・デソウサ騎手の乗ったエルマルカ(牝、R・ヴァリアン、父キングマン)がゴール前で3頭が横一線になる大接戦を首差制して優勝しました。
2戦1勝のキャリアでG1をつかんだエルマルカは、ドバイターフなど3つのG1を制したのち北海道・新冠のビッグレッドファームに輸入されて種牡馬になったベンバトルの半妹です。
今年のギニー競走を制した2頭にはもうひとつ共通点がありました。
それは合成素材馬場と呼ばれるオールウエザー(AW)競馬の経験で、エルマルカは昨年11月のデビュー勝ちがAW戦、ノータブルスピーチは1月のデビューから3連勝のすべてがAWトラックのもので、芝未経験馬による英2000ギニー優勝は史上初となっています。
冬季の競馬開催を可能にするAW競馬場の増加、それに、この時期の中東での競馬開催が定着し、シーズンオフの概念が薄らいでいる欧州競馬の今が伝わってくるようなクラシックでした。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)