速い!けど止まらない!3歳牝馬ピューロマジックがレース史上に残る“圧逃劇”/北九州記念

11R 北九州記念 1着12番ピューロマジックと松山騎手は北九州記念を制す(撮影・林敢治)

<北九州記念>◇6月30日=小倉◇G3◇芝1200メートル◇3歳上◇出走18頭◇サマースプリントシリーズ第2戦

速い、速すぎる! 3歳牝馬ピューロマジック(安田翔)が抜群のスタートダッシュから先手を奪い、そのまま逃げ切った。前走の葵Sに続き、今度は古馬混合戦を制して重賞連勝。今後は9月29日中山のスプリンターズS(G1、芝1200メートル)を先に見据えながら、馬の状態や課題克服に最適なレースを選択していく。

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類を見ない逃走劇だ。快速の3歳牝馬ピューロマジックが、前半3ハロン32秒3の超ハイペースを刻みながらそのまま押し切った。

スタートは横一線。それでも、まるでターボエンジンが付いているかのようなダッシュ力で12番のゼッケンが1馬身、2馬身とリードを取った。道中は追走する後続馬の手綱が動く中、風を切る松山騎手は逆に、手綱を抱えてスピードを制御するほど余裕の行きっぷり。直線は2着馬に迫られたものの、逃げながら“温存した”もうひと脚で強豪古馬たちを封じた。

2度目のコンビだった鞍上は「開幕週の馬場も味方しましたが、この馬らしいいい走りができました」と笑顔。前半のハイペースも「(手綱を)抱えながらでしたし、そんなに速いとは思わなかったです。これだけ(手綱を)持てるのはすごいですし、スタートからのすごいスピードが武器」と非凡な速力を評価した。

北九州記念が芝1200メートルとなった06年以降、前半3ハロンの入りが32秒3以下だったのは4回だけ。それだけでもピューロマジックの速さが分かるが、その4回の逃げ馬は15、13、15、8着と失速していた。レース史上に残る速いテンの入りから、上がりも35秒6でまとめられては、後続は手も足も出なかった。

見守った安田翔師は、レース前のテンション面を課題に挙げながらも「前走よりもだいぶ(手綱を)抱えられた」と、同じ逃げ切りでもその内容に進境を感じ取った。今後は、秋のG1スプリンターズSも見えてくるが「今日はポケットからゲートまでが近くてまだましでしたが、中山だと遠くなる。そういうレースでどうなるのかも見てみたい」と同師。今後は馬の状態や、気性面の課題克服も視野に入れながら、次走を決定していく。【奥田隼人】

◆ピューロマジック ▽父 アジアエクスプレス▽母 メジェルダ(ディープインパクト)▽牝3▽馬主 (株)スリーエイチレーシング▽調教師 安田翔伍(栗東)▽生産者 村田牧場(北海道新冠町)▽戦績 9戦4勝▽総獲得賞金 1億1041万円▽主な勝ち鞍 24年葵S(G3)▽馬名の由来 聖なる、純粋な(西)+可能にすること

◆サマーシリーズ 6月9日~9月8日をサマーシリーズとして、騎手部門と競走馬部門でチャンピオンを決定。距離別にスプリント(対象6レース)、マイル(同4レース)、2000(同5レース)で争う。

▽スプリントシリーズ (1)サトノレーヴ、ピューロマジック10P(3)ウイングレイテスト、ヨシノイースター5P(5)ビッグシーザー、モズメイメイ4P

◆ジョッキーズシリーズ (1)松山18P(2)浜中10P(3)坂井7P(4)松岡、丸山5P