「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
勝負の世界は文字通り、勝者と敗者が存在します。前出の言葉は野球界の名将、野村克也さんの名言。偶然の勝利はあっても、その反対はなく、敗戦には必ず理由がある-。勝利を求め続け“勝負師”を極めた方だからこその重みが、言葉から漂います。
生き物同士がしのぎを削る競馬の世界で、連戦連勝とはそう簡単にいかないものです。先週の函館2歳Sをサトノカルナバルで制し、自身重賞初制覇を果たした佐々木大輔騎手(20=菊川)は3年目の今思うことを話してくれました。
「減量がついていた時は失敗が許される部分もありましたが、ハンデがなくなってからは1戦1戦をよりいっそう大切に乗って、次の機会につなげていけるように、と思っています」。
佐々木騎手が一躍名を揚げたのは昨年の函館開催。18勝を挙げ、史上最年少での当地リーディングを獲得しました。一方で札幌では開幕から開催5日で白星がなく7勝。本人は「序盤のことを考えたら、むしろ7勝は頑張ったと言えると思います」と受け止めていました。
3年目の今年も函館で12勝をマーク。1勝差で2年連続のリーディングこそ逃しましたが、2着数の差で2位となりました。「序盤に(次走の出走)権利を取れた馬が後半の開催で勝つことができたので、結果的に1勝差の2位とよく頑張れたと思います」。
なぜ負けたのか-。実戦でしか得られない経験、感覚から課題を洗い出し、陣営とともに修正を重ねる。「負けに不思議の負けなし」を突き詰める姿勢、向上心こそが、佐々木騎手の活躍を支えていると改めて実感しました。
減量の恩恵がなくなっても白星を挙げ続け、重賞初制覇の目標も達成。「レース後に(横山)和生さん、(鮫島)克駿さんにおめでとう、と言ってもらえたことがうれしかったです。僕自身は特に変わらないですね。リーディングという意識はあって、それはモチベーションになっています。函館と同じように勝てればいいですね」。進化し続ける20歳。今後も目が離せません。【桑原幹久】