今年も夏の札幌出張が終わりました。私自身3度目の出張となる今回は、昨年より1週長い3週間の滞在。妙に懐が寂しいですが、公私ともに密度の濃い時間を過ごせました。関東拠点の記者のため、普段は取材機会の少ない関西の関係者の方も快く話を聞かせてくださり、この場を借りて感謝申し上げます。
そして未熟ながら私の経験則として、夏の北海道で取材し、当時気になった馬が秋以降のレースで活躍する傾向があります。「札幌で取材してたのに…」と予想で後悔しないよう“備忘録”代わりに、今回は2歳馬3頭に絞ってピックアップしたいと思います。
<1>アルテヴェローチェ(牡2、須貝、父モーリス)
デビュー1週前の週中、札幌競馬場で須貝師に同馬の感触を聞いた際「君ら関東の記者でしょ? 関東にもばれてもうてるのか!」と笑顔で期待度の高さを答えていただいたシーンが印象的。7月27日、芝1500メートルの新馬戦で勝利。鞍上の武豊騎手は直線でちらっとスクリーンを見る余裕ぶり。レース後は「強かったですね。背中が良くて乗り味がいい。肩ムチだけだけど追っての反応もいいし、大物感があるね」とレジェンドが絶賛。現状ではマイル路線を歩んでいきそうですが、スケールは大きく、G1級の素質を持っていると言っても過言ではありません。
<2>キングスコール(牡2、矢作、父ドゥラメンテ)
7月21日、芝1800メートルの初陣の勝ちっぷりが強烈でした。4角先頭でノーステッキのまま2着に3馬身差。勝ち時計1分47秒8は、20年札幌2歳Sでソダシがマークした2歳コースレコードを0秒4も更新。パドックで放馬し、レース後もテンションの高い面を見せていましたが、矢作師は「パドックでもああいうことがあって勝つんだから。能力は高い。元々千八でも短いと思っていたし、二千以上の馬だと思っている」と力強い口調で期待の高さを表していました。当時の話では札幌2歳S(G3、芝1800メートル、8月31日=札幌)へ向かうとの話でしたので、次走も大注目。牡馬クラシック路線の主軸を担っていきそうです。
<3>ナチュラルライズ(牡2、伊藤圭、父キズナ)
砂の大物になりそうです。7月20日、ダート1700メートルの新馬戦で2着に6馬身差、3着以下に大差の圧勝。勝ち時計1分45秒7は「当舞台の良馬場での2歳新馬戦」に絞れば、22年ペリエールと並び最速タイの“超抜時計”。3角で促された際に反応が良すぎて、前の馬に急接近してしまうほど、現状では力が抜けていました。2着のベルベルコンパスは次走の未勝利戦で2着に5馬身差の快勝。鞍上の横山武騎手がレース後「のちのち大きいところを勝てる馬になると思います」と高評価していたことも印象的で、来年は海外での活躍も見込めるかもしれません。
思うままに書き連ねましたが、他にも「これは」と思う馬がたくさんいました。“運命の出会い”を忘れないように3週間の取材をきっちりと見直して、飛躍の秋へと準備します。【桑原幹久】