【コラム】引退から約5年…33連勝の豪名牝ウィンクスに再び脚光 ドキュメンタリー映画公開へ

ヒュー・ボウマン騎手を背にいつものように大外を一気に追い込んで、食い下がるクルーガーに1馬身半差をつけて優勝。オーストラリア記録の33連勝を手土産に引退の花道を飾ったG1クイーンエリザベスS(19年4月13日、芝2000メートル、ランドウィック競馬場)から約5年の歳月が過ぎ、今は母として穏やかな毎日を送る名馬ウィンクス(牝13、父ストリートクライ)に再び脚光が集まっています。

撮影と編集に4年が費やされ、公開が待たれていた自身の半生を描いたドキュメント映画「A Horse Named WINX」が、いよいよ9月5日(木曜)にオーストラリアの映画館で封切りとなります。

通算勝ち星は同国のレジェンド、ファーラップと並ぶ37勝(43戦)、G1は世界歴代1位の25勝。15年5月のG3サンシャインコーストギニーを起点に足かけ5年で33連勝。コックスプレート、チッピングノートンS、ジョージライダーSの3つのG1競走で、それぞれ4連覇を飾り、オーストラリア年度代表馬も4シーズン連続で受賞。獲得賞金の2645万1174豪ドル(約26億4500万円)は当時の世界賞金王となりました。

その名はランドウィック競馬場の新スタンド(ウィンクススタンド)や8月に行われるG1競走のレース名(18年の第1回は自身が優勝)となり、21年3月にはウィンクスが拠点としたローズヒル競馬場にボウマン騎手とともに凱旋(がいせん)する実物大のブロンズ像がお披露目されました。

最初の子供は死産でしたが、22年に生まれた牝馬(父は人気種牡馬ピエロ)は、今年4月のイースターセールで、1歳牝馬としては世界レコードとなる1000万豪ドル(約10億円)で落札され、この牝馬(現2歳)は母と同じC・ウォーラー厩舎からデビューすることが決まっています。

予告編映像では歴史的名馬に駆け上がる途中に訪れていた危機と、それをはね返したウィンクスの雄姿、これを取り巻く人々の葛藤が映しだされています。

海外で公開される予定はまだないようですが、日本でもぜひ、見てみたい映画です。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)