【愛チャンピオンS】シンエンペラーは新時代切り開く“真皇帝” 矢作師語る欧州最高峰の舞台

14日、愛チャンピオンSに参戦するシンエンペラー

“新皇帝”の挑戦が始まる。今週土曜の14日にアイルランドのレパーズタウン競馬場で行われるアイリッシュチャンピオンS(G1、芝2000メートル)に、日本からシンエンペラー(牡3、矢作)が参戦する。管理する矢作芳人調教師(63)は、次戦に予定する凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月6日=パリロンシャン)とともに、愛チャンピオンSも「すごいレース」と説明し、欧州“最高峰”連勝の偉業に挑む。なお、両レースとも日本国内で馬券発売が行われる。

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新時代を切り開く皇帝となる。愛チャンピオンSに日本馬が参戦するのは19年ディアドラ(4着)以来2頭目。日本調教馬初の快挙に向け、シンエンペラーは順調に調整を続けている。

今年は弥生賞から始動して2着。皐月賞は5着に敗れ、7番人気で挑んだダービーも3着と勝利はつかめなかったが、矢作師は確かな手応えを感じた。「(ダービーは)1コーナーの戦いに敗れたというか、もう少しいい位置がとれていたら…。悔しいけど、あらためて力を感じたので凱旋門賞挑戦を決めた」。ステップには愛チャンピオンSを選択。欧州最高峰G1への連続参戦が決まった。

ダービー後はノーザンファームしがらきで夏休みを過ごした。7月30日に栗東トレセンへ帰厩。出国前の態勢を整えた。師は「徐々に状態は良くなっている。もともといい馬。馬体の変化はあまりないけど、気性的にはだいぶ大人になったかなと思う」と特に精神面の成長を実感する。

仏ダービーを制した全兄ソットサスは20年の凱旋門賞馬。その前走・愛チャンピオンSは4着に敗れているが、弟にも高い“欧州適性”があっても不思議はない。現地3日に行われた弟の1週前追い切りには、兄の背を知るC・デムーロ騎手(レースは坂井騎手)が騎乗。「こちらの芝は合うと思います。物見をしたりするところなど、ソットサスに似ている部分がありますね」と評価していた。

世界各国の大レースを制し、今や“世界のYAHAGI”として知られる矢作師には、この参戦を通して伝えたいことがある。

「日本だと凱旋門賞ばかりに注目がいくけど、アイリッシュチャンピオンSもすごいレース。2400メートルと2000メートルだと、2000メートルの方が種牡馬価値も高い。すごいレースだということも日本の皆さんに知っていただきたいですね」

前哨戦ではなく、ここも勝負レース。欧州最高峰を連勝し“新皇帝”の座に就くか。【下村琴葉】

■シンエンペラーうまく順応 仏ロンシャンで追い切り

シンエンペラーは現地8日に、凱旋門賞の舞台となるパリロンシャン競馬場で追い切りを行った。スクーリングを行った後、芝2400メートルの発走地点からスタート。残り5ハロンから帯同馬のラファミリア(牡3)と併走した。吉田助手は「本番に向けたテストを兼ねての追い切りでしたが、コースにうまく順応してこなしてくれましたし、満足できる内容でした。凱旋門賞に向けても良い練習になったと思います」とコメントした。同馬は現在、シャンティイにある清水裕夫厩舎に滞在中。愛チャンピオンSが行われるアイルランドには直前に飛行機で輸送を行う予定になっている。