黒い馬は格好良く見えるものだが、まさにヴァーミリアンがそうだった。全身がピカピカと黒光りし、胸前やトモが大きく隆起する。栗東トレセン内ですれ違った時は「おおっ、ヴァーミリアンや!」と思ったものだ。
腕利きで知られマッチョだった担当の久保卓也助手がまたがれば、人気マンガ&アニメの「北斗の拳」に出てくるラオウの愛馬「黒王」のような迫力があった。
毛色は「黒鹿毛」と登録されていたが、記者は黒鹿毛よりもっと黒い「青鹿毛」なのではないかと思っていた。黒鹿毛と青鹿毛は見分けが難しいとされる。
それだけヴァーミリアンの毛色にこだわっていたのは、母の父サンデーサイレンスと毛色をはじめとした雰囲気が似ていたから。サンデーサイレンスは「青鹿毛」だった。
伝説の名馬サンデーサイレンスは、こんな感じの馬だったのだろうかと思いながら見ていたものだ。
今年6月の函館スプリントS当日。記者は函館競馬場内のファンエリアを歩いていて、4コーナー付近にある「ふれあいパドック」に黒い馬がいるのをみつけた。看板を見て気づいた。「ヴァーミリアンや!」と。
22歳だけにさすがに筋肉は落ちていたが、毛づやの良さや格好良さは相変わらずだった。
今回の訃報を聞き、あの時に会えたのはラッキーだったなと思っている。
【中央競馬担当=岡本光男】