「動物福祉が重要な課題に…」多度大社の上げ馬神事の検討委員会に参加など/JRA定例会見

JRA(2021年撮影)

JRA本部で23日、関東定例記者会見が行われた。馬事文化振興についても触れた。

馬術では24年パリ五輪でJRAの戸本一真職員が総合馬術日本代表の1人として団体銅メダルを獲得し、92年ぶりの快挙を成し遂げた。馬事を担当する菊田淳理事は「JRAとしては馬事振興に昔からやっておりまして、2020東京五輪からさらに本腰を入れてきました。パリ五輪は本当に感動的だったと考えております。本日も馬事公苑で愛馬の日ということで戸本選手がお客さまの前に出たら『戸本だ』という声もあって、テレビの力をすごいなと思いました。乗馬クラブでも馬に乗りたいという人が増えているというのも聞いておりますし、馬事振興の発展に結び付いたら本望だと思っています」と振り返っている。

馬事文化の振興は人材、競走馬のセカンドキャリアにも大きく影響する。昨今は少子高齢化で馬事の担い手が不足されている昨今、JRAでは騎手課程において体重、視力の各種制限緩和、厩務員過程においては年齢制限の撤廃など近年広く門戸を開いている。馬事振興で少しでも興味を持ってほしいという願いがある。JRAでは馬産業の人材確保に対する取り組みとして、職業紹介イベント「UMAJOB(ウマジョブ)」の展開もあり、魅力を伝える試みをしている。

引退競走馬のセカンドキャリアについては同理事が「受け皿が日本はまだ非常にまだ小さい」とつぶやく。昨年には多度大社の上げ馬神事で元競走馬が安楽死処分されたことが問題となった。また同年の相馬野馬追でも熱中症で死ぬ事案が発生。同祭りでは出陣した8割以上の馬が競走馬であったことを踏まえ、「メダルを取るという事だけでないですが、振興の契機になってくれれば。今はアニマルウェルフェア(動物福祉)がものすごく重要な課題になっています。多度大社さんの方からJRAの方に検討委員会のメンバーに加わってほしい、相馬野馬追でもアドバイザーとして来てほしいとお話がありまして加わりました。今年につきまして多度大社さんでは傾斜を緩くしたり、壁をなくしたりして、安全に開催されたと聞いております。相馬野馬追でも夏に行われていたものを、5月のゴールデンウイークに移設して、熱中症の症状は軽かったと聞いております」と説明した。