富田暁騎手 来週から米国・西海岸で武者修行へ 5年越しの思い胸にデットーリ騎手らと競演へ

米国武者修行に挑む富田暁騎手

覚悟の武者修行だ! 8年目の富田暁騎手(27=木原)が29日、米国の西海岸で研修することを明らかにした。

日本で今週末の11月3日まで騎乗した後に渡米し、サンタアニタパーク競馬場を拠点に、現在開催が行われているデルマー競馬場でも騎乗する予定。期間は無期限で、JRAの騎手免許更新、師匠の木原師の定年引退がある来年2月末に一時帰国するが、その後もまた渡米して腕を磨くという。

富田騎手は「やってやろうという気持ちはもちろんありますが、そんなに甘くないのは分かっていますし、正直、不安もあります。ですが、騎乗技術はもちろん、人間として成長したい、騎手としてなにかを変えたいと思い(アメリカへ)行くことを決意しました。向こうでは調教にたくさん騎乗し、機会があれば競馬にも乗せてもらって、結果を残したいです」と意気込んだ。

5年越しの思いがある。19年の4月、オーストラリアに長期遠征していた同騎手は、新型コロナウイルスの影響で日本に帰国した。「オーストラリアからそのままアメリカに行くプランもあったんですが…。なので、それ以来ずっと行きたいと思っていました」。米国遠征への強い思いをなかなか実行に移せなかったその後だが、調教師として最後の1年となった師匠・木原師の「頑張ってこい」という後押し、全3911鞍中414回もコンビを組む兄弟子・武英師の「なにか変えないとダメだ」という叱咤(しった)激励をきっかけに決意した。

「自分が納得するまで帰ってくるつもりはないです。それくらい覚悟を持って行きます。自分の背中を押してくれた(木原)先生とヒデさん(武英師)には本当に感謝しています。帰国後に自信を持って乗れるように、パワーアップしてきます」と思いを吐露する。

先輩ジョッキーの後押しもあった。フランスからJRAの騎手となって活躍するルメール騎手からの「今は若いし、いろいろな国で乗るのはいい経験になる」という言葉、先日食事に行った坂井騎手からの「努力次第で人は変われる」という話が心に刺さった。

「今の自分には足りない精神的、肉体的な弱さを感じましたし、自分の努力はまだまだだなと痛感しました。世界で活躍する先輩の話は刺激になりました。自分も27歳とそんなに若くないですし、海外に遠征できるのもこれがラストチャンス。追いつき、追い越せるように、精いっぱい努力したいです」。

小さい頃から憧れたランフランコ・デットーリ騎手(53)ら猛者がうごめく米国競馬の激戦区へ。支えてくれた人への感謝を胸に、騎手・富田暁の第2章が来週から始まる。