【有馬記念】松島オーナー「ドウデュースとオーサムリザルトの子供とか…」/インタビュー後編

笑顔でドウデュースについて語る松島オーナー(撮影・白石智彦)

G1・5勝馬ドウデュース(牡5、友道)が、有馬記念(G1、芝2500メートル)でラストランに挑む。所有するキーファーズの松島正昭代表(66)が、長年の友人でもある武豊騎手(55)と愛馬への思いを語り尽くした。ロングインタビューを前編、中編、後編の3回に分けてお届けする。【取材・構成=太田尚樹、奥田隼人】

<キーファーズ松島正昭代表インタビュー=後編>

-山あり谷ありの競走生活でした

負けるから、人気もあるんでしょうね。あの「世界のタケユタカ」が(天皇賞・秋を勝った後のインタビューで)「うまくエスコートできないレースもありました」と言ってました。ドバイターフ(5着)とか宝塚記念(6着)の話だと思いますが、なかなかあんなことは言わないですからね。そういうのに感動します。その代わりに、ええ思いをいっぱいさせてもらってますし。そのあたりがチームの強さやないですかね。

-普段から所有馬のレースは「見ていられない」とうかがいました

道中は何も見てないですね。見るのは、4コーナーを回るごろからですかね。(道中は)だいたいビジョンを見ながら誰かとしゃべったりしてます。「かかってるか?」「ちょっとかかってます」とか。(今年の)天皇賞は「あかん」と思いましたね(笑い)。武くんは「4コーナーを回った時に『勝った』と思いました」って言ってましたけど。

-あの直線では仕掛けをワンテンポ遅らせたように見えました

あれはすごい。僕は手応えがないのかと思いました。先に聞いとかなあかんな(笑い)。

-ジャパンCでは4コーナーで大外から動いていきました

(隣にいた)オーギュストロダンもビックリしたような感じでしたね。あれは武くんやないとできないのでは。あんな競馬があるんですね。東京で4コーナー手前からまくってくる馬なんて見たことがないです。中山ならありますけど。ビックリしましたね。

-オーナーにとって有馬記念はどんなレースですか

小さい時から有馬記念は知ってました。スピードシンボリの連覇(69、70年)とか。まさか(自分の所有馬で)スピードシンボリと同じように連覇に挑戦できるとは。去年は「なんか知らん間に終わってもうた」という感じでしたけど、今年は楽しみますよ。有馬記念はやっぱり国民的な行事ですから、それをもし連覇できたらうれしいですね。

-馬主になって競馬の見方は変わりましたか

(馬主になる前から)馬券は好きでしたけど、あんまり現地で見ることはなかったです。テレビの方がよく見えますからね。

競馬にこんなロマンがあるとは知らなかったです。今は(馬主として)「武豊」というすごい存在に馬券を絡ませるのはどうかというのもありますし「オーナーになったら馬券抜きでロマンに生きよう」と思いました。ロマンはお金にならないですけどね(笑い)。

-ファン投票では史上最多記録を大きく更新する得票数となりました

すごいですね。それは「武豊人気」でしょうね。武豊とドウデュースの物語。日本人は、そういうのが好きですもんね。ドラマ性があるでしょ。しかも(シナリオを)つくってやってるものではないですからね。ある意味、持ってる。

-映画になりそうな物語がありますよね

映画は難しいですけどね。誰に配役するかとかがありますから(笑い)。漫画にはできると思います。うまいくいったからいいですけど(自分の)会社がつぶれていたら逆にドラマになってますわ(笑い)。さすがに、つぶれるまではいってませんけど、綱渡りみたいでしたね。えらいことやわ、ほんまに…。競馬は面白いですね。競馬っていいですね。

-「もしダートで走ったら…」という声も聞きます

みんな「1回ダートに使いたい」って言ってました。BC(クラシック)というのもありましたけど「秋は国内で行こう」となりました。

-友道厩舎もリーディングを争うなど好調です

スタッフがしっかりしてますね。(助手の)大江くんでも前ちゃん(ドウデュース担当の前川助手)でも。あれがすごいです。友道先生もまじめですから。

-レースへ意気込みを

意気込みというか、勝ってほしいですね。よく「頑張ってください」って言われますけど、僕が頑張るわけではないですから。僕が乗るわけではないですし、僕が走るわけでもないですから。そこは「ジョッキーに聞いて」って言います。武くんとも、あんまりそんな話はしないですけど。

-レース直前のパドックでは武豊騎手とどんなお話をされますか

G1以外の時はパドックで会っても「今晩どうする?」みたいな感じですね(笑い)。G1の時は「よろしく」だけです。今度は本人も緊張してるんやないですかね。何千勝もしてる人でも、プレッシャーがあると思います。(レース当日に)引退式もありますし。「勝って終わりたい」と思いますからね。しかも、あれだけ人気を背負って。

(自身は)楽しみですね。こんなの2度とないかも分からないですし。(ドウデュースの引退後も)また頑張りますけど、なかなか難しいと思います。ちょっともう、やってくれすぎでしょ(笑い)。

-種牡馬としての期待は

人気が出て、子供が走ってくれたらいいですね。僕も牝馬を持っているので、それにつけます。武くんが引退する前に(乗せて)勝たないと。今からつけたら(産駒のデビューは)4年後やから。まだまだ頑張ってもらわないといけませんね。僕の持ち馬(の産駒)には乗ってもらいます。イクイノックスの子供とドウデュースの子供が一緒に走ったら面白いでしょうね。

-牧場を持たれる計画もあるとうかがいました

牝馬を持っているので、こぢんまりとやっていきたいですね。自家生産して、それをインゼルで走らせられれば。ドウデュースと(現在7戦7勝の)オーサムリザルトの子供とか、すごいかもしれないですね。

-「武豊騎手が凱旋門賞を勝つのを見る」という夢も、ぜひかなえていただきたいです

これはまた違う夢ですね。(馬主になったのも)そこから始まってますから。

(おわり)