【とっておきメモ】クールな坂井瑠星騎手がついに見せた“シン・ガッツポーズ”/サウジC

フォーエバーヤングでサウジCを制した坂井瑠星騎手(ロイター)

<サウジC>◇22日=キングアブドゥルアジーズ◇G1◇ダート1800メートル◇北半球産4歳上・南半球産3歳上◇出走14頭◇1着賞金1000万ドル(約15億5000万円)

日本のフォーエバーヤング(牡4、矢作)が香港の最強馬ロマンチックウォリアーに競り勝った。坂井瑠星騎手(27)と、人馬ともに待望の海外G1初制覇。矢作芳人調教師(63)との師弟タッグで、世界の頂点に立った。

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ステッキを握ったままの右手を振り上げ、何度も何度も突き出した。

これが坂井瑠星騎手の“シン・ガッツポーズ”だ。

ゴール後の歓喜の表現には、騎手の個性が表れる。競馬の華の1つだと思う。普段からクールな27歳は、人さし指を立てて観客席へ腕を伸ばすのが定番だった。その所作は悠然。G1初制覇を果たした22年の秋華賞(スタニングローズ)でも、冷静を失ったようには見えなかった。

そんな流儀について、かつて聞いた事がある。

「そんなに(気持ちを)表に出す感じではないんで、考えてやってます。せっかく勝ったなら、お客さんへもアピールというか、した方がいいかなと。まだ自然に出たというのはないですね」

自他ともに認める「競馬オタク」だった少年は、幼稚園の卒園アルバムで将来の夢を「ジョッキー」と書いていた。師匠の矢作師や厩舎スタッフとともにつかんだ念願の海外G1初制覇。「自然に出た」であろう歓喜の爆発は、千夜の夢をかなえたアラビアンナイトにひときわ輝いて見えた。【中央競馬担当=太田尚樹】