国枝師ラストダービー挑戦権へ2頭出し 3冠牝馬の子アマキヒ、毎日杯2着ガルダイア/青葉賞

17日、馬場を出るガルダイア。左は国枝師

名伯楽がラストチャンスに懸ける-。来春定年引退を迎える国枝栄調教師(70)が土曜東京メインのダービートライアル青葉賞(G2、芝2400メートル、26日、2着までに優先出走権)に、3冠牝馬アパパネの子アマキヒ(牡)、毎日杯2着のガルダイア(牡)を送り出す。来週のプリンシパルSのレイニング(牡)を含め、3頭をトライアルに配備。37年目の調教師人生で悲願のダービー初制覇へ、勝負に出る。

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22日の朝、美浦トレセンで動く国枝師が言った。

「ダービーの切符は高いんだよねぇ。よし、頑張ろう!」

ダービー初挑戦は03年(マイネルソロモン18着)。計9頭を送り出し、18年コズミックフォースの3着が最高。JRA通算1100勝、アパパネ、アーモンドアイで2度の牝馬3冠を含むG1・23勝を誇る名師でも、全ホースマンが憧れる最高の名誉に手が届いていない。最後の挑戦権獲得へここ2週で3頭をセット。今週は先陣2頭が本番と同舞台を駆ける。

アマキヒは前出の名牝アパパネの7番子。初陣を制して臨んだホープフルSは17着と大敗したが、ゆりかもめ賞3着と立て直した。前走は発馬で後手に回り序盤は後方も、道中で動き4角2番手から押し切り勝ち。師は「しまいまでちゃんと走れてよかった。できればスタートを決めていい位置から行きたいよね。強引な競馬じゃ上のクラスでは厳しい」と描く。火曜朝は坂路を軽快に登坂。「元気いっぱい。順調だよ」とゆかりの1頭に目を細めた。

ガルダイアはG1馬アエロリットの半弟。京成杯は折り合いを欠き14着も、前走毎日杯はマイペースの逃げで2着に粘った。師は「折り合いがついたので、ああいう形で競馬を覚えていてくれれば。ずいぶんまともになってきたよ」と成長を実感する。初の2400メートルは鍵となるが「スタミナはあると思う。折り合いだけ」と自信を見せる。

取材後、手元に届いたPOG本をおもむろに開いた。そのページには偶然、アーモンドアイの2番子の立ち写真が載っていた。「よし、この馬でダービーに行こう」。自身の管理下で向かうことはかなわない。自然と出たジョークに“ダービートレーナー”への思いがにじんだ。【桑原幹久】