<悼む>
98、99年の有馬記念連覇などG1を4勝したグラスワンダーが8日、けい養先の北海道新冠町・明和牧場で死亡した。ビッグレッドファームが発表した。30歳だった。
現役時代を取材した伊嶋健一郎デスクが悼む。
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大阪日刊スポーツの記者でありながら、90年代はよく美浦トレセンにも出張した。グラスワンダー、セイウンスカイ、メジロドーベル、タイキシャトルなどなど、強い関東馬は当時からたくさんいた。
中でも印象的なグラスワンダーは、98年の有馬記念で最後の最後まで◎を打つかどうかで迷った、思い出深い1頭だ。
当時のグラスは骨折明けから毎日王冠5着、アルゼンチン共和国杯6着と連敗し、「怪物」と称された2歳時(当時表記は3歳)の勢いを失っていた。
休み明け3走目の有馬記念の最終追い切りは、主戦・的場騎手を背に、美浦南ウッドコースで3頭併せ。直線でステッキが7発も入った。調教後、的場騎手に聞いた。
闘魂注入ですね?
当時、記者はまだ入社2年目。あさはかな質問だったと思うが、的場騎手は丁寧に答えてくれた。
「そんな簡単なことではないよ。でも、少し重く感じたので、ステッキを入れていっぱいに追ってみた」
レース当日は4番人気。多くのファンが怪物の復活を願っていた。中団追走から3~4コーナーで上昇する脚に、その手応えに、スタンドはどよめいた。さらに後ろから追ってきたメジロブライトを半馬身、抑えて勝利。大歓声のなか、的場騎手が「やっぱり強い馬なんだなあ」とつぶやいたシーンは忘れられない。
怪物グラスワンダー、安らかに。【伊嶋健一郎】
余談ですが、その98年有馬記念の◎は11番人気ステイゴールドに打ち、グラスは○。2頭の馬連を1万円購入していました。的中なら200万円超。結果は1、3着で、双眼鏡を持つ手が震えただけでした。
当時はまだ、ワイドはありませんでした…。