すっかり「陽気なイタリアン」に戻った。そんな印象だ。
ミルコ・デムーロ騎手(46=イタリア)が米国へ旅立って今日14日でちょうど1カ月になる。コラムの打ち合わせなどで今も連絡を取っているが、電話の声はいつも明るい。
「マジで楽しい!」
ここ数年は浮かない表情を見せることも多く、思い悩んでいるのも感じていた。今は新たな挑戦にエキサイトしているのだろう。
英国、フランス、香港、そして日本。これまで異国の地へ乗り込んで腕を振るってきた。46歳になっても、そのチャレンジするスピリットは失われていない。
奮闘は結果にも表れている。先週までの4週間で42鞍に乗って【3・6・11・22】。複勝率47・6%は、今年の日本での数字(同17・9%)を大きく上回っている。9日のG2イエローリボンハンデキャップでも、ブービー人気の伏兵を2着馬と首差の3着に健闘させた。
かねて「2着が一番嫌い」と公言するだけに、3勝ではまだ物足りないだろうが「2、3着でも人気のない馬が多かったから、乗せてくれた人たちは喜んでくれていた」と手応えも感じている。陣営の満足度は、次回の騎乗依頼につながる。これからが腕の見せどころだろう。
何よりも気持ちが前向きだ。連絡するたびに「楽しい」「最高」と繰り返し、笑顔の写真が届く。いわゆるハングリー精神が伝わってくる。
16日のデルマーオークスでは渡米後初のG1騎乗も決まった。これまで世界各国で栄冠を手にしてきたが、米国の重賞は勝ったことがない。太平洋の向こうから、喜びの声が届くのを心待ちにしている。【太田尚樹】