【復刻】みんなが買い求めたハルウララの単勝馬券「常連さんに」「こんなにおいしい競馬ないで」

04年、武豊騎手騎乗もブービーでゴールするハルウララ

「負け組の星」ハルウララ(牝)が9日、死亡した。29歳だった。千葉県御宿町のマーサファームで余生を過ごしていたが、9日に息を引き取った。高知の宗石厩舎から98年11月にデビュー。03年12月に100連敗を喫し、113連敗で引退した。不況にあえいでいた当時の地方競馬にあって、日本列島に社会現象を巻き起こし、多くの人に愛された名馬だった。

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園田競馬場では午前10時の開場と同時にハルウララ単勝専用窓口に人が殺到。専用窓口を急きょ2つから3つに増やし、対応した。

この日は何より、客層が違った。大阪・北新地のクラブ勤務のホステス(23)は“営業用”に上限いっぱいの50枚を購入。「常連さんにプレゼントするために早起きした。話題の馬券なのできっと喜んでもらえる」。炭などを扱う自営業の男性(51)は得意先の焼き鳥店用にと、行列に2度並び、70枚を買った。「鳥インフルエンザで焼き鳥店も厳しい。ウララ馬券で少しでも客足を盛り返せれば…」と話した。「園田に30年通っている」という男性(67)は「こんなに“素人さん”が来たことはない」と驚いていた。

同競馬場はマークシート記入による馬券購入に不慣れな人のために、専用窓口限定で異例の「口頭発売」を行った。「1人1回50枚まで」という購入上限設定は、少しでも多くの人に購入してもらうための配慮で、中には1人で6回並び、300枚購入した人もいた。

昨年、同競馬場で非開催日に他場の場外発売した際の平均入場者数は約1100人。この日の入場者数は約8倍の8848人と膨れ上がった。

ハルウララの馬券を買って、すぐ帰る人が多く、料金1000円の駐車場の利用をケチってか、競馬場周辺では駐車違反も続発。尼崎北署員が取り締まった。最寄り駅の阪急・園田駅も大混雑で、タクシー運転手(58)は「目が回るほどの忙しさ。ウララちゃん効果や」。10レース終了後には払戻窓口に行列ができ、勝ち馬券を手にした男性は「ハルウララを外して2番人気の馬の単勝馬券を買った。こんなにおいしい競馬はないで」とホクホク顔だった。

(04年3月23日付の日刊スポーツ紙面に掲載。年齢は当時)