【ジャパンC】カランダガンがレコードで20年ぶり外国馬V、これが世界王者の走りだ

ジャパンCを制したカランダガン(手前)とバルザローナ騎手(撮影・鈴木正人)

<ジャパンC>◇11月30日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳上◇出走17頭

これが世界王者の走りだ-。“世界ランク1位”フランスのカランダガン(せん4、F・グラファール)が、1番人気のマスカレードボールとの一騎打ちを頭差競り落とし、外国馬20年ぶりとなる勝利を挙げた。勝ち時計は18年にアーモンドアイが計時した従来の記録を0秒3更新する2分20秒3のJRAレコード。3世代ダービー馬を含めた日本の豪華メンバー相手に見事な勝ちっぷりを見せた。

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快晴の府中に、どよめきにも聞こえる歓声がこだまする。世界王者カランダガンが、日本代表マスカレードボールとの火花散るマッチレースを制した。05年アルカセットが勝利して20年。“外国馬は勝てない”と言われたジャパンCでメンバー中、最軽量の小柄な馬が全身を大きく弾ませて、その言葉を吹き飛ばした。2分20秒3のスーパーレコードタイムで日本のファンに喝采を浴びた。

王者は泰然自若だった。大逃げを打ったセイウンハーデスが刻んだラップは前半1000メートル57秒6という欧州競馬で体験できない激流。それでもバルザローナ騎手に導かれ、道中はマスカレードボールやダノンデサイルといった日本の有力馬を見る形で運ぶ。直線では鋭く反応し、一気に前を捉えた。鞍上は「(マスカレードボール騎乗の)ルメールを見ながら運べば、先頭に近づいていけると思っていた」と意の向くままに運べる操作性の高さを持つ。勝因は「ベストホースに乗っていたから」。今年の凱旋門賞を制した名手は口角を上げ、淡々と述べた。

真の最強馬は戦う場所を選ばない。G1を3連勝し欧州の年度代表馬に輝き、レーティングは現役世界ランク単独1位。どれほど強いのか、日本への適応力はあるのか-。つきまとう数々の不安材料も、世界最強馬には関係なかった。鞍上は「どんな馬場も適応できる」とチャンピオンたるゆえんを説明。懸念された大観衆の歓声も「常にリラックスして、ウオームアップでは楽しみながらレースに参加していた」と“王者の余裕”があった。グラファール師は「バランスの取れた馬で、ハートの大きく優しい馬。そして肉体的にもチャンピオンの属性を備えている」とこれ以上ない賛辞を贈る。

タフなレースだった。師は「馬も陣営もこたえている。今後はじっくり計画していきたい」とした上で「また来年日本へ」と再度の来日を示唆する。“世界に通用する馬作り”を目指して創設されたジャパンカップ。目的は果たされたかのように近年は日本馬の独壇場が続いたが、世界最強馬が止まった歴史を動かした。【深田雄智】

◆カランダガン ▽父 グレンイーグルズ▽母 カラヤナ(シンダー)▽せん4▽馬主 アガ・カーン・スタッズ▽調教師 F・グラファール(フランス)▽生産国 アイルランド▽戦績 14戦8勝(うち海外13戦7勝)▽総獲得賞金 約12億3068万円(うち海外約7億2690万円)▽主な勝ち鞍 24年ノアイユ賞(仏G3)オカール賞(仏G3)24年キングエドワード7世S(英G2)25年サンクルー大賞(仏G1)キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1)チャンピオンS(英G1)▽馬名の由来 フィリピンの島の名前より