さまざまな支えがあっての復帰です。
熱狂の有馬記念からまだ5日。仕事始めは1月2日の美浦トレセンからスタートです。多くの関係者と年始のあいさつをしていると、今年で24年目の田辺裕信騎手(41)が調教に騎乗していました。
9月に左足かかとの粉砕骨折で戦線離脱。4日の中山から復帰予定で、メインの日刊スポーツ賞中山金杯(G3、芝2000メートル)では、こちらも7カ月ぶりの復帰戦となるニシノエージェント(牡4、千葉)をはじめ、4鞍を予定します。
「幸いなことに20何年間、こんなに長く休んだことがなかったのでね。競馬はもちろん見ていましたけど、急いでリハビリをしても別に回復時期が変わらないような感じだったので、筋力とかも本当にゼロの状態になっちゃったかな。長くやってきて初めての感覚でした」
松葉づえが取れたのは12月半ば。まだ1カ月もたっていません。
「すごく暑い時期にけがをして、出てきたら真冬。体も慣れていないし感覚も取り戻さないといけない。1週ごとに良くなっているのは感じています」
復帰への道中、2人の存在が大きくありました。1人は「ニシノ」「セイウン」でおなじみの西山茂行オーナー。
「復帰の時期をこのあたりにしようかな、と決めたことをオーナーにした時、パッと重賞の話を言っていただいて。今週で一番最初に騎乗が決まりました。ありがたいですよね。休み明けですけど、乗った感じはラッキーで重賞を勝った馬ではないなと。重賞でやるにはもう少し手応えがほしいな、という部分はありますけど貫禄はありますね。オーナーの思いに応えたいですね」
もう1人は幸英明騎手。同時期に負傷したこともあり、連絡を取り合っていたそうです。
「ちょうど幸さんから連絡をもらって、左右の足は違うけど同じかかとをけがしたので。1カ月先にけがをした先輩だったので、こうやってリハビリした方がいいよ、自分はちょっと遅れちゃったからと言ってくれたりしました。幸さんは復帰した後にまたけがをしてしまったので、また頑張ってもらいたいですよね」
これまでと変わらない田辺騎手の明るい口調の中にも、多くの支えに並々ならぬ思いを感じ取ることができました。まずは無事を祈って、田辺騎手の復帰に注目したいと思います。【桑原幹久】