異色の経歴の持ち主が好配の使者となる-。フェアリーS(G3、芝1600メートル、11日=中山)は過去10年で1番人気が未勝利。17、23年に2桁人気馬が勝ち、荒れる3歳牝馬重賞として有名だ。ビッグカレンルーフ(堀内)は門別でデビューし、夏に札幌のすずらん賞で中央勢を撃破した実績馬。一発の気配を漂う。
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フルゲート16頭中14頭が1勝馬という混沌(こんとん)の一戦なら、未知の可能性に懸けてみたくなる。ビッグカレンルーフはその需要を満たす存在だ。昨年7月に道営でデビューV。出発点からもう他のメンバーとは違う。8月札幌のすずらん賞(2歳オープン)は中央の舞台、初めての芝、環境など超えるべき壁は高く、ゲートもひと息で後方からの競馬だったが、短い直線で火がつくと、外から一気に差し切った。2着に負かしたショウナンカリスはその後ファンタジーS2着から阪神JF(7着)へと駒を進めている。芝は1戦1勝。そんな逸材が中央に転厩してきた。
美浦で同馬を預かる堀内師は「ポッポノフェスタ(古馬1勝クラス)のオーナーのつながりで来ました。いいものを持っています。やっぱり札幌のオープンを勝っているんだな、と。スピードもばねもある」と同馬について語る。続けて「テンションが高くなりやすい」と課題も同時に指摘した。追い切りは2週続けて3頭併せのメニューを課し、僚馬と競わせる中で我慢させる。1週前は坂路で併走2頭に1馬身先着と最後は伸びるだけ伸ばした。最終追いはウッドコースで中リュミナーズ(古馬1勝クラス)を3馬身追走、外クラウドセイル(古馬1勝クラス)を4馬身追走から併入。時計は6ハロン83秒9-11秒8。いつでも抜け出せる手応えのままゴールした。堀内師は「落ち着きに重点を置きました。今後の成長もありますが、現段階の追い切りとしては満点」とうなずいた。
父アメリカンペイトリオットは米国の芝マイルG1勝ち。母父はフジキセキ。マイルは初めてだが、血統背景からはこなせるはず。パワーを要する洋芝で勝っていることから、冬の中山も合いそうだ。メンバー屈指の意外性を持つビッグカレンルーフに注目している。【舟元祐二】