【連載・ヤン子の真実】BCクラシックも「物見して遊びながら…」フォーエバーヤングのすごみ

BCクラシックを制したフォーエバーヤング(C)Tere Poplin/Eclipse Sportswire/Breeders Cup

<ヤン子の真実(1)>

昨年の年度代表馬フォーエバーヤング(牡5、矢作)が世界最高賞金レースのサウジC(G1、ダート1800メートル、14日=キングアブドゥルアジーズ)で今年初戦を迎える。連覇を果たせば史上初の快挙だ。海をまたいで駆け回るダート世界最強馬の知られざる素顔とは-。連載「ヤン子の真実(リアル)」で紹介する。(第1回)

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世界各国で30億円近くを稼いだフォーエバーヤングのすごみを感じさせる逸話だ。愛馬を「ヤン子」と呼んでかわいがる渋田助手から、驚きの証言を聞いた。

「物見して遊びながら走ってましたね」

なんと頂上決戦BCクラシックで-。

あらためてレース映像を見直すと、直線へ入ってから内側へ顔を向けているように見える。抜け出してからは伏せていた耳も立てていた。

「ラチの内側にあるボックスを見て、ずっと気にして走ってました」

外から伸びてきた2着シエラレオーネとの差は半馬身だったが、着差以上に余裕があったということか。

ただ、ゴール寸前で後続に迫られると、また耳を絞っている。おそらく勝負根性に再び火がついたのだろう。もし並ばれたとしても抜かせなかったのではないかと思わせる。

思い出したのはケンタッキーダービーだ。直線ではシエラレオーネと併せ馬のようにして伸び、勝ち馬に肉薄した。2頭が接触するほどの激しい追い比べが話題となったが、のちに坂井騎手は「『併せに来てくれたことで頑張れた』というのが感想です。来てなければ、あそこまで頑張れなかったと思います」と振り返っている。中東2走からの転戦で状態を懸念された中での奮闘。3着に敗れはしたものの、強烈な闘争心を示すパフォーマンスだった。

根性と余裕。そんなメンタルも、世界中でパフォーマンスを発揮できる要因なのだろう。サウジアラビアへの遠征は3年連続3度目。過去2年はいずれも闘志あふれる勝ちっぷりで栄冠をつかんだ。王者として臨む今年も“いつまでも若い”走りを見せてくれそうだ。【太田尚樹】