【サウジC最前線】伸びしろ秘めるフォーエバーヤング 荒木助手「もう1段(上が)あっても驚かない」

11日、ダートで追い切ったフォーエバーヤング(左)とアメリカンステージ

<サウジC最前線(3)>

ダート世界最強馬フォーエバーヤング(牡5、矢作)が、連覇のかかるサウジC(G1、ダート1800メートル、14日)に向けて11日、キングアブドゥルアジーズ競馬場で追い切られた。ダートコースで僚馬アメリカンステージ(牡4)を追走して馬なりで併入。“BCパターン”で仕上げられた。現地サウジアラビアで取材を続ける太田尚樹記者の「サウジC最前線」第3回では、さらなる成長の可能性にも迫る。

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冬のアラブの冷涼な夜明けに、王者フォーエバーヤングが砂混じりの風を裂いた。3馬身ほど先行させた僚馬を追って438メートルの直線へ。世界各国のカメラマンが無数のシャッター音を響かせる前で、雄大な馬体が弾む。手綱を動かされることなく、鼻先を並べてゴールを駆け抜けた。

世界一を極めた3カ月前を踏襲した。併走相手も追い切り内容も前走のBCクラシックと同様だ。またがった坂井騎手は「去年のBCの時と同じパターン。ありがたいことに同じチームで来ているので、結果が出ている時の感じでやりました。予定通りです」と静かな口調で説明した。

1年前との違いは、東京大賞典を挟まなかったことだ。今年最初のターゲットはサウジCとドバイワールドCの連勝。昨年は1、3着で史上初の快挙を逃した。鞍上は「本来は使ってからの方が良くなる」とした上で「東京大賞典を使うとドバイでおつりがなくなってしまうので直行にしようと、先生とオーナーが決めたのだと思う」と理解する。決して簡単ではない臨戦過程。その中で調整役の荒木助手は「毎日乗ってきて上昇しているのを感じている」と手応えを口にする。

明け5歳を迎えた今なお伸びしろを秘めている。もともと左右差を制御するためにリングハミを着用していたが、今年からノーマルタイプへ戻した。この変更で成長の余地に気づいたのが荒木助手だ。「ほぼ完成かと思っていたけど、シンプルなハミだとちょっと(左右差を)出す。これを整えていったら、もう1段(上が)あっても驚かない」。さらなるパフォーマンスを発揮できる可能性すらある。注目の今年初戦だ。