競馬界で通訳・レースホースコーディネーターとして活躍し、日本馬初のBC競走制覇、日本馬初のBCクラシック制覇など歴史的な瞬間に立ち会ってきた安藤裕氏(46)のコラムです。今回はドバイワールドカップデーの振り返りです。
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こんにちは。先週のドバイワールドカップデーでは、多くのご声援をいただきありがとうございました。
まず、ワールドカップに出走したフォーエバーヤングですが、残念ながら2着という結果となり、今年も勝利をつかむことができませんでした。正直、この敗戦はあまりにもショックが大きく、レース後もしばらく言葉が見つかりませんでした。しかし、矢作先生の第一声は、サウジアラビアからずっと帯同してきた渋田厩務員と荒木助手の2人に「ありがとう」とねぎらいの言葉を掛けるものでした。さまざまなプレッシャーの中で戦ったレースだったのだと、改めて認識させられる一言でした。悔しい気持ちは非常に強いですが、次のレースではこの鬱憤(うっぷん)を晴らす走りを見せてくれればと思っています。
次にガイアフォースですが、連日の雨の影響で、主催者発表以上に馬場が緩い状態でした。もし良馬場に近いコンディションであれば、また違った結果になっていたのではないかと思います。ドバイでここまで芝が緩くなるのは完全に想定外でした。
アメリカンステージはサウジアラビアからの転戦でしたが、本来のパフォーマンスを発揮出来なかったことが残念でした。いつかは海外G1を勝ってくれると信じたいです。
続いてルガルですが、一瞬は勝てるところまでいきましたが、伏兵の馬に差されてしまい2着という悔しい結果でした。しかし、直線競馬への対応ができたことは、今後の選択肢を広げる意味でも収穫があったのではないかと思います。
そして、日本馬の先陣を切ったワンダーディーンがUAEダービーを見事に制し、ケンタッキーダービーへの挑戦権を獲得しました。ワンダーディーンもサウジアラビアからの転戦組で、フォーエバーヤングやアメリカンステージと日々調教を共にしてきた戦友でもあります。管理する高柳大輔調教師にとっても海外重賞初制覇となり、私は高柳厩舎の海外遠征を初期の頃からお手伝いしてきたこともあり、この勝利は格別にうれしく感じました。そして、この先の夢がケンタッキーダービーへと続いていくことを、本当に楽しみにしています。高柳厩舎とケンタッキーダービーに挑戦するのはテーオーパスワードと参戦して以来2年ぶりとなり、現地でのノウハウもありますので、今から本番が待ち遠しいです。
皆さまには多くのご心配をお掛けしましたが、今年のドバイワールドカップは過去最高レベルの大会だったと感じています。どのレースにも素晴らしい馬が出走し、世界トップクラスのカランダガン、オンブズマン、フォーエバーヤング、ベントルナートといった馬たちが、このような状況下でもハイレベルなレースを見せてくれました。そして何より、現地の安全性がしっかり確保された状態で当日を迎えられたことは、本当に良かったです。
また、チームジャパンとして厩舎の垣根を越えて助け合えたこと、さらには国境を越えて支え合えたこと、そして今回の遠征を通じて新たな出会いがあったことも、本当にうれしい出来事でした。
来年はさらに多くの人が集まり、ドバイワールドカップデーを皆さまと楽しめることを期待しています。(レースホースコーディネーター)