競馬学校入学式「ここであえて厳しい話を。今春は卒業生ゼロ名となりました」/校長あいさつ全文

入学式後、写真に納まる左から石神深一騎手、石神龍貴君、五十嵐翼君、五十嵐雄祐騎手(撮影・丹羽敏通)

JRA競馬学校騎手課程第45期生の入学式が7日、千葉県白井市の同校で行われた。応募者総数195人のうち、倍率20倍以上の狭き門を通過した7人が入学した。

新入生の前で語った緒方一徳校長のあいさつ全文は以下の通り。

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騎手課程第45期生の皆さん、入学おめでとうございます。そして、温かい愛情を持って支えてこられましたご家族の皆さまにも、心よりお祝いを申し上げます。おめでとうございます。

また、本日はお忙しいところ、この入学式のために、多くのご来賓の皆さまにご臨席賜りましたこと、心より御礼申し上げます。ありがとうございます。

さて、皆さんは競馬サークルの未来を担う騎手を目指し、幾多の困難を乗り越え、この競馬学校の門をくぐられました。その努力と情熱に心から敬意を表します。ただ、入学すれば3年で自動的に騎手になれるとか、騎手にしてもらえるということはありません。

ここで皆さんにあえて厳しい話をしておきます。今年卒業予定であった42期生は、結果として卒業生がゼロ名となりました。これは競馬学校開校以来、初めてのことです。非常に残念であり、重く受け止めなければならない事実です。

競馬は多くのお客さまが大切なお金を投じる公営競技であり、信頼の上に成り立つギャンブルです。1人の不祥事、1つの甘えが競馬全体の信頼を失墜させます。

騎手はただ乗るのがうまいだけでは務まりません。公正確保は皆さんの命題です。ルールを守り、自分を律することができない者に、ファンの夢を背負う資格はないのです。

また、皆さんにもう一つ伝えておきたいことがあります。それは、騎手デビューすることが目標ではないということです。デビューはあくまでスタートです。プロとして長く信頼され、そして活躍できる騎手になることこそ、本当の目標でなければなりません。

この学校では、日々の生活のすべてが授業となります。馬を操るための筋力、体幹、バランス感覚を極限まで鍛え上げ、プロとして最低条件である体重コントロールを徹底し、自らを厳格に律してください。

また、単なる技術の習得にとどまってはなりません。展開の読み、馬の心理といった競馬の本質を深く探求する知性に加え、社会に通用する豊かな一般教育をしっかり身につけることが不可欠です。

これから始まる競馬学校での生活は、決して楽なものではありません。しかし、その厳しさを乗り越えた先に皆さんの夢が広がっています。仲間とともに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、日々成長し、一流の騎手を目指して頑張ってください。私たち学校職員一丸となって皆さんをサポートしていきます。

最後になりますが、本日ご臨席の皆さまに、これから騎手になるという目標に向かっていく新入生に対し、温かいご指導ご鞭撻(べんたつ)賜りますようお願い申し上げまして、入学式にあたってのごあいさつとさせていただきます。

2026年4月7日、日本中央競馬会競馬学校校長 緒方一徳