1番人気ムルソー重賞初V、坂井瑠星騎手「まだ良くなる」/アンタレスS

好位から抜け出しアンタレスSを制したムルソー(撮影・和賀正仁)

<アンタレスS>◇18日=阪神◇G3◇ダート1800メートル◇4歳上◇出走16頭

1等星の輝きだ。1番人気のムルソー(牡5、池江)が重賞初制覇を果たした。

坂井瑠星騎手(28=矢作)に導かれ、果敢にハナを切って上がりを35秒8でまとめ、後続を寄せつけなかった。キャリア11戦7勝でまだ底を見せておらず、伸びしろもたっぷりだ。

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譲らない。1コーナー手前で外からかわされても、坂井騎手とムルソーは動じなかった。インコースを利して再びハナへ。いったん緩めたペースを3コーナーから再加速。上がりを35秒8でまとめて後続を振り切った。砂を浴びることなく引き揚げてきた鞍上は、右手の親指を立てて白い歯を見せた。

「前回で乗せていただいて、重賞を勝てるレベルの馬だと思ったので、自信を持って乗りました。現状でもいい馬ですけど、まだ良くなりそうです」

ダート世界一を極めた男は、さらなるポテンシャルも指摘した。たとえば残り200メートル。内ラチへともたれたため、馬上で体を左に傾けながら追うなど手を煩わされた。岩崎助手も「気持ちが若い感じで、もっと大人になってもいい。伸びしろは十分にあると思う」と目を細めた。

5歳ながら11戦7勝とキャリアは浅く、まだ底を見せていない。転厩5戦目で3歳春(ユニコーンS5着)以来の重賞挑戦を実らせ、名門池江厩舎にJRA重賞99勝目をもたらした。「これからもダートの重賞戦線で頑張れる馬」(坂井騎手)。見込まれた通りにレベルアップを果たせば、G1制覇も夢想には終わらないはずだ。【太田尚樹】

◆ムルソー ▽父 レイデオロ▽母 ラユロット(エンパイアメーカー)▽牡5▽馬主 長谷川祐司▽調教師 池江泰寿(栗東)▽生産者 辻牧場(北海道浦河町)▽戦績 11戦7勝▽総獲得賞金 1億4771万8000円▽馬名の由来 フランスの地名