3歳世代の頂点を決めるダービー(G1、芝2400メートル、31日=東京)で、皐月賞馬ロブチェン(牡、杉山)がクラシック2冠目を狙う。豊富なスタミナを武器にG1・2勝を挙げたワールドプレミアの初年度産駒。ディープインパクトの後継となる父は、種牡馬入り後は種付け頭数が減少傾向にあったが、大物ロブチェンの登場で人気沸騰中だ。けい養先である優駿スタリオンステーションの山崎努場長(51)に話を聞いた。
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種牡馬として苦戦傾向にあったワールドプレミアに、風向きを一変させる孝行息子が現れた。皐月賞を制したロブチェンだ。優駿SSの山崎場長は言う。
「去年までは種付け頭数が下降していたんですが、ロブチェンがホープフルSを勝ったことで、年明けから配合の申し込みがかなり増えていました。いいペースで種付けをこなしていたら、皐月賞を勝った翌日から予約が殺到。すごいことになっちゃって」
菊花賞と天皇賞・春を制したワールドプレミアは、21年秋に競走生活を引退して種牡馬入り。種付け頭数は53頭→41頭→33頭→24頭と年々減少していた。しかしロブチェンの活躍により状況は好転。まだ種付けシーズンは続くなかで、今年の種付け頭数はすでに100頭を超えているという。
性格は穏やか。山崎場長によれば「ディープの子は自己主張が強いというか、扱いづらい馬が多いけれど、この馬は許容範囲」。性欲旺盛なタイプではないものの「種付け自体は上手」。仕事はきっちりこなす。
初年度産駒は中央で14頭が出走した。ロブチェンを含めてここまで4頭が勝ち上がり、勝ち鞍はすべて芝でマーク。山崎場長は、「きれいな体つきをした産駒が多い。芝で切れるタイプが増えるかなと見ていました」と語る。
ステイヤーとして活躍した馬は、種牡馬としての需要がなかなか高まりづらい。とはいえ、多くの一流馬を送り出したディープインパクトや、最近の人気種牡馬ではキタサンブラックは、現役時代に菊花賞と天皇賞・春を制した。今年のオークス馬ジュウリョクピエロを送り出したオルウェーヴルも菊花賞優勝馬。長距離G1・3勝のフィエールマンも産駒の活躍が目立つ。
中長距離の大レースを狙ううえで、持久力は不可欠な要素だ。ワールドプレミアは、種牡馬としてさらなる可能性を秘める。山崎場長はいう。「生産牧場の人たちは、ロブチェンみたいな馬が出てくることを夢見て、種付けしてくださっていると思う。その期待に応えられるような産駒がさらに出てきてくれれば」。ダービーでもロブチェンが活躍すれば、父の評価はさらに高まる。【奥岡幹浩】
◆ワールドプレミア 父ディープインパクト、母マンデラ(アカテナンゴ)、牡10、現役時代は栗東・友道康夫所属で12戦4勝。主な勝ち鞍は19年菊花賞、21年天皇賞・春。5歳時の21年11月に引退し、北海道新冠町の優駿スタリオンステーションで種牡馬生活を送る。