【こんな人】「“飯ものどを通らない”って。誘ったらウニと大トロ食ってた」松山弘平騎手の素顔

松山弘平騎手(左)と大下智元騎手

<ダービー>◇5月31日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳牡牝◇出走18頭

1番人気の皐月賞馬ロブチェン(牡、杉山晴)が接戦をものにして2冠を制した。松山弘平騎手(36)は11度目の挑戦でダービージョッキーの称号を手にした。

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常に取材対応も真摯で、人当たりが柔らかい松山騎手は先輩の教えを守る。現在、池添学厩舎で調教助手を務める大下智元騎手(今年ケンタッキーダービーにダノンバーボンで挑戦)は競馬学校の2学年上にあたる。

2人の関係が深まり始めたのは、大下助手が騎手デビューし、松山騎手が実習生となったころだ。「僕がデビューして“ジョッキーどうですか”と聞かれた。人を見るなよ、何かあってもおごるなよ、と話しました」と先輩として競馬の世界を伝えた。

仲の良い関係は続いたが、そこに変化をもたらす出来事もあった。松山騎手がG1に有力馬として挑むようになった一頭、ドリームバレンチノに乗っていた頃にさかのぼる。「あの馬がターニングポイントの1つだったんじゃないかな」と大下助手は明かす。「勝って調子に乗るのではなく、負けたときによくない行動をしたことがあった。そういう行動はよくないよ、と言ったし、距離を取ったこともあった。他の先輩のいいところを見た方がいいと思ったし、ずっと僕と密にいたから」と視野を広げる提案をした。その上で「大きく道を踏み外さなかったし、いろんな乗り方ができて騎手としても人としても上手に立ち回るのが彼の良いところ」と仲のいい後輩のすごさに目を細めた。

人間味も人をひきつける。「大事なレースで負けた後、僕がすしを食ってたとき、あいつは“飯ものどを通らない”って言ってて。とりあえず来い、って誘ったらウニと大トロ食ってた(笑い)。めっちゃ食うやんって。僕ですら頼んでないのに、めっちゃ元気やんって。食いもんは別なんやなって僕があいつに気づかされた。今となっては笑い話やね」。教えを守る松山騎手なら、この快挙にもおごらずにまい進するはずだが、今日はどんなネタも気分良くのどを通るに違いない。【深田雄智】