「容認できない」故意に仲間を勝たせようとしたスミヨン騎手に騎乗停止8日間!調教師は戦術否定

スミヨン騎手(2024年撮影)

英国王室主催のロイヤルアスコット開催初日(16日)に行われた3歳のマイル王を決めるセントジェームズパレスSでクリストフ・スミヨン騎手(45)が8日間の騎乗停止処分を受けた。

同騎手は6頭立て4番人気のプエルトリコ(牡3、A・オブライエン)に騎乗し、内ラチ沿いを先行。最後は最下位に沈んでいる。

BHA(英国競馬統括機構)の裁決レポートによると、直線入り口でプエルトリコのスミヨン騎手は外を併走していたパワーブルー(4着)に馬体を寄せ、内ラチ沿いを空けることで故意に同じエイダン・オブライエン厩舎の仲間、有力馬のグスタードが有利になるように(勝たせるように)した、としている。

レポートではグスタードに騎乗していたムーア騎手、スミヨン騎手、パワーブルーに騎乗していたイーガン騎手、グスタードとプエルトリコを管理するエイダン・オブライエン調教師に事情聴取を行ったことが伝えられている。この事象とは別にスタート直後の接触でムーア騎手は3日間の騎乗停止処分を受けている。

レースは無敗の英2000ギニー覇者ボウエコーが勝利。ゴール前で内を伸びてきたグスタードとの追い比べを短頭差で制した。ゴール前だけを見れば、実力伯仲の素晴らしいレースに見えるのだが…。

レーシングポスト電子版の記事によると、オブライエン師はチーム戦術を否定。同紙はベテラン記者3名の見解を紹介しており、「(チーム戦術は)マナーの問題だ。マナーが良ければ、競馬の世界では多少のことは許される。今回のは露骨であり、ファンは『何をやってるのかわかってるぞ』と言いたくなるのも無理はありません」「裁決は見たままを書いている。チーム戦術についての議論は目新しいものではない。スミヨン騎手の頭の中で何が起こっていたのかはわからない。(処分について)不服申し立てをされる可能性があるので、BHAの裁決主任と裁決委員はメディアの取材を拒否した。ただ、彼らもスミヨン騎手が最終コーナーを曲がりきるところで右肩越しに(背後にいた)ムーア騎乗のグスタードの位置を確認していることを見ているはずだ。私たちが見た客観的事実を根拠にすれば、騎乗停止処分は当然だ」「スミヨン騎手は指示にしたがっただけなのに裁定委員の厳しい制裁を受けるので、ある程度の同情は否めないが、セントジェームズパレスSで起こったことは到底容認できない。チーム戦術は我々のスポーツにふさわしくない。BHAは抑止力を強化する必要があるだろう」と厳しく指摘している。