田辺騎手が田村師を追悼「感極まった先生が珍しくて…」アスクビクターモア菊花賞Vを振り返る

22年、菊花賞を制したアスクビクターモアと田辺裕信騎手。右端は田村康仁調教師。

6月29日に病気のため63歳で死去した田村康仁調教師をしのび、田村師が管理したアスクビクターモアで22年菊花賞を制した田辺裕信騎手(42)が追悼の言葉を述べた。

「田村先生には本当にお世話になりましたね。初めてアスクビクターモアに乗ってから、先生は僕に託してくれて、レースの組み立てもすごく細かく話し合っていました。他の調教師の先生だと“だいたい”で済ませるところを、田村先生は厳しく、細かいところまでやっていきました」

田辺騎手はアスクビクターモアのキャリア4戦目、3歳初戦の1勝クラス戦からコンビを組んだ。1勝クラス、弥生賞と2連勝。ドウデュース、イクイノックス世代のクラシックに挑み、皐月賞5着、ダービー3着と善戦。秋はセントライト記念2着をステップに、菊花賞を勝利した。

「先生の考えと僕の考えを出し合って、作戦が一致したのはダービーと菊花賞。僕の中では先生の作戦通りに乗れなかったらどうしよう、というプレッシャーがありながらでしたけど、達成感も毎回ありましたね。特に菊花賞を勝った後は、いつもひょうひょうとしている先生がけっこう感極まった感じで。それが珍しくてね。本当によかったなと感じましたね」とかみしめた。

「競馬だけじゃなくて、いろいろと趣味の多い先生で。車も時計も服もバイクも全部やったって自分で言ってましたから。ちょっと早かったですけどね。人生を全うしたんじゃないかと思います」と締めた。