JRA短期免許取得予定のミカエル・ミシェル騎手(31)が再来日し、26日、美浦トレセンで調教騎乗を行った。今週末の29日新潟から騎乗し、約1カ月半、JRAで騎乗する見込み。
このフランス人女性ジョッキーの隣で存在感を放つのが、えり付きの白いシャツを着用したかっぷくのいい男性。陽気なバーテンダーのような雰囲気も漂うが、実は通訳だ。米国出身のロバート・スコットさん(57)。大阪弁ベースの日本語を自在に操る。
「馬関係のお仕事はこれまでそんなになかったんですが、ミシェルとは何度も会っているし、彼女の旦那さんとも気が合うんですよ。それで、(自分が)ちょっと役に立つかなと思って。人前ではあんまり緊張しないですし(笑い)」と、流ちょうに語る。
もともとスポーツは好きだという。その理由は「僕は元プロ野球選手なので」。ポジションは投手。米国で、そして日本で白球を投じた。
「(米大リーグの)エンゼルスにいて、そのあと日本の南海ホークスにスカウトされて日本に来ました。大阪球場の最後の年に1年間プレー。ダイエーに変わる前の年です」
エンゼルス時代には背番号17をつけていたともいう。「大谷さんの、前の前です」とにっこり。実際には、「前の前」どころか、「さらにずっと前」のことになりそうか。
なお当方が調べた限りでは、同名投手がエンゼルスや南海ホークスで登板した公式記録は見つからない。マイナー契約やテスト生として入団した可能性もありそうだ。
ホークスは大阪から福岡に移ったが、スコットさんは大阪にとどまった。
「そのまま大阪に住んで、中華料理店でアルバイトをして日本語を覚えました」
明るい性格と頭の回転の速さを生かし、野球場のマウンドとは異なるフィールドで才覚を磨いた。俳優となり映画「ゴジラvsキングギドラ」に出演。タレントとして数々の人気テレビ番組にも登場してきた。「いまは歌を作ったりもしています。器用貧乏です」と楽しそうに笑う。
多彩な分野で活躍するスコットさん。これから約1カ月半ほどは、ミシェル騎手の通訳が“本業”となる。「何かあればボディーガードもできます」。大柄な体を揺らしながら、ユーモアたっぷりに語った。【奥岡幹浩】