調教師を今年3月に定年引退後、4月から小島厩舎の補充員として働いてきた国枝栄厩務員(71)が、8月末で厩務員生活に一区切りをつけることになった。「もともとゆっくりするつもりだったのを、ヘルパーを選んで5カ月やってきた。よく言う“勝って放牧”だね。少しゆっくりしてまたチャンスがあれば、ヘルパーとしてやれるといいかな」と休養後の再登板には意欲を見せた。
「最初はなかなかなじまなかったけれど、厩舎のみんなが協力的で教えてもらって、体もついていくようになった。じじいで新人だから、しょうがないと思ってくれたのかな(笑い)。いろいろと経験できたし、やってみて心身ともにいい方向に向いてきて、飯がうまいんだよ。これまで調教助手、調教師をやってきたけれど、今が一番体調がいい。厩務員の仕事ははたから見るのとは全く違った。面白みがあるし、小さいけれど新しい発見が多かった。何十年もこの世界でやってきてリスク管理は心得ているから、油断は駄目。大きなけがなくやってこられたのは何より」と爽やかな笑顔で振り返った。
22日の札幌1Rを担当馬トゥザファイナルで厩務員初勝利を挙げ、厩舎への置き土産になった。「最後にルメールさんが乗ってくれて勝てたのは良かった。やっぱりうまいよな。最後詰められたけれど、勝たせるんだから」。名調教師から厩務員に異例の転身を遂げた71歳は、有終の美を飾ってひとまず身を引く。