「グレートマジシャンは一番思い入れのある馬」宮田師が夏の新潟でつかんだ縁深い1勝/新潟記念

ゾロアストロで新潟記念を制して握手する宮田敬介調教師と岩田望来騎手(撮影・丹羽敏通)

<新潟記念>◇30日◇G3◇芝2000メートル◇3歳上◇出走11頭

空の上から、見えない力が後押ししてくれた-。

レース直前、シャワーのように雨が強まった。視界をさえぎるほどの雨粒を切り裂き、ゾロアストロ(牡3)が重賞2勝目をもぎ取った。管理する宮田敬介調教師(45)にとって、ただの1勝ではなかった。越後が誇る658・7メートルの直線に、人一倍の思いがある。

「僕の中でグレートマジシャンという馬は、たぶんこの後(自分の)定年に向けても一番思い入れのある馬になるんじゃないかなと。今もこの先もきっと変わらないと思います」

ゾロアストロの祖母ナイトマジックの子に生まれたグレートマジシャンは2020年、開業初年度の宮田厩舎からデビューした。初陣、セントポーリア賞を2連勝。続く毎日杯ではシャフリヤールに首差2着と迫った。ダービーに駒を進め、4着と善戦。世代上位の力を示した。

ただ、秋への始動を準備する段階で脚部不安が判明。休養は長引き、復帰に1年2カ月もの時間がかかった。4歳初戦は21年7月30日、新潟芝1800メートルでの関越S。単勝2・4倍の1番人気に推された。レースは中団で運び、スムーズに最後の直線へ。残り400メートル。ギアアップを始めたところで歩様が乱れ、スピードを落とした。故障を発生。残り200メートルを前に競走を中止し、安楽死となった。

「お母さんのアルミレーナも国枝厩舎(の調教助手)時代にゲート試験からずっと乗せてもらっていた馬。思い入れもすごく強い血統ですし、この血統で1つ重賞を勝てたことは本当にうれしいです。同じナイトマジックの血を受け継ぐ馬で、またもう一つ大きなところを取れればと思っています」

縁深い夏の新潟でつかんだかけがえのない1勝。厩舎創設期を支えたグレートマジシャンの分まで、ゾロアストロが飛躍を遂げる。【桑原幹久】