最後まで人柄がにじみ出た。引退会見後、柴田善騎手が嘆いていた。「俺は調教スタンドの下で囲んでくれれば、って言ったんだよ! でもJRAから『それは駄目です』って言われちゃってさ。雨の中、申し訳ないよ」。会見中、マイクの調子が悪くなった質問者へ「使いますか?」と気遣った。相手の立場に立ち、謙虚に振る舞う。JRAアドバイザーとしての役割に「おせっかいにならない程度に」と前置きしたことにも表れた。
弊紙では94年からコラム「ヨシッ!! トミ」(東日本版)を毎週末掲載。32年にもわたる長期連載へのお礼に、この日集まった弊紙記者陣が向かうと「こちらこそありがとう、ですよ。話すからにはしっかりしなきゃって、連載のおかげで騎乗馬を調べることができたからね」と逆に感謝された。連載は今週末で一区切りの予定。間違いなく必見の最終回だ。【桑原幹久】