週末のパリロンシャン競馬場では土日に8つのG1が行われました。
ご存じの通り、凱旋門賞はダリズの連覇で幕を閉じましたが、サークルの話題となったのは、日曜のG1マルセルブーサック賞とG1オペラ賞の優勝で、開催で唯一の複数優勝オーナーとなったザ・サラブレッドレーシングコーポレーション(以下サラブレッド社)の復活でした。
サウジアラビアのアーメド・ビン・サルマン王子(享年43歳)が興したサラブレッド社は、王子が急死した02年まで欧米を股にかけて活躍。オースで99年のG1英国ダービーを制し、02年にはウォーエンブレムで中東のオーナーとして初めてG1ケンタッキーダービーに優勝しました。
王子の死去によって半休眠状態となっていたサラブレッド社が息を吹き返したのは、今から4年前の22年のこと。
サルマン王子の弟で競馬資産を引き継いだファイサル王子が事業として見直しに着手、それとともに著名な競馬一家に生まれ、アイルランドの競馬中継で人気の女性解説者として活躍していたジェーン・マンガン氏をレーシングマネージャーに迎えて復興の土台が造られ、セリで若駒購入が再開。徐々に戦力が整えられていました。
フランス2歳女王決定戦のG1マルセルブーサック賞を制したグリーンエンプレス(牝2、父サクソンウォリアー)は昨年の愛1歳セリで5万5000ユーロ(約1017万円)で落札された掘り出し物で、G1オペラ賞で強敵を破ったミススコット(牝3、父ナイトオブサンダー)は一昨年の英国1歳セリで65万ギニー(約1億4260万円)で新チームが仕入れた馬でした。
2頭は今月31日に米国のキーンランド競馬場で行われるブリーダーズカップ参戦に前向きと伝えられていて、ウォーエンブレムでおなじみの白と緑のストライプの勝負服が再び米国で躍動する姿が見られそうです。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)