柴田善臣元騎手が引退式「幸せな騎手人生」 セレモニーで2人の孫から掛けられた言葉は…

引退式に臨む柴田善臣騎手撮影・鈴木正人)

9月に引退した柴田善臣元騎手(60)の引退式が1日、天皇賞・秋当日の東京競馬場で行われた。G1・9勝の名ジョッキーは、「皆さんのおかげで本当に幸せな騎手人生でした」と感謝した。

涙はなかった。その表情には、最後まで笑みが広がった。「苦しいときもありましたが、いま思うと本当に楽しい41年半でした。こんなに楽しくていいのかなというぐらい、本当に楽しかった」。セレモニーが行われたパドックには、全レース終了後にもかかわらず大勢のファンが残り、引退を惜しんだ。

22年11月に56歳3カ月で白星を挙げ、JRA最年長勝利記録を塗り替えた。その後も自身の記録を何度も更新。「岡部さんの記録を超えた1勝のときはみんなに喜んでもらい、プラカードとかも持ってくれたんですがね。そのあとは勝ってもみんなに冷やかされるだけでした」と冗談めかした。

来春からJRAアドバイザーに就任する。「アルバイトみたいな感じです。今まで教わってきたことをもとに、いまの時代に合った教え方で伝えられたら」。今後も競馬界のために尽くしていく。

競馬学校1期生。セレモニーでは、師匠である中野隆良元調教師や、同期にあたる岩戸孝樹、武藤善則、須貝尚介の各調教師から花束を受け取った。1期下の横山典弘騎手からは「すごく頼りになる先輩でした。ずっと甘えていました。アドバイザーになると聞いたので、また教育してください」と言葉を掛けられた。 ビデオ出演した武豊騎手は「常に憧れで、ずっと見ていました。大好きです。騎手クラブとしても、善臣さんが引っ張ってくれて安心感がありました」とメッセージを寄せた。

8歳と5歳の2人のお孫さんも登場。「これからもいっぱい遊ぼうね。じいじ大好き」との言葉に、還暦を迎えた名手は目尻を下げた。

最後は騎手仲間の後輩たちが花道をつくった。JRA通算2341勝。たくさんのファンに愛された男は、にこやかな表情で競馬場を去った。【奥岡幹浩】