【コラム】年末までもつれそうな米国リーディングサイアー争い「イントゥミスチーフV8」なるか

BCクラシックを制したソヴリンティ(C)Breeders’Cup/Eclipse Sportswire

ブリーダーズC(以下BC)という大きな山を越えて米国のチャンピオン種牡馬争いが激しくなっています。

BCの成績を反映した米国リーディングサイアー(ブラッドホース誌集計)のランキングはBCクラシックを直前に取り消して、電撃引退となったマグニチュードを稼ぎ頭にしたノットディスタイム(18歳、父ジャイアンツコーズウェイ)が産駒獲得賞金3003・2万ドル(約48億1000万円)で首位。昨年まで7年連続でリーディングの座を守っているイントゥミスチーフ(21歳、父ハーランズホリデー)はBCクラシックを制したソヴリンティやBCジュべナイル優勝のヒューズの働きによって賞金を大きく加算、獲得総賞金は2992・1万ドル(約47億9000万円)となって、9月末の段階で約360万ドル(約5億7600万円)もあった首位との差を一気に11・1万ドル(約1780万円)にまで縮めています。

第2次大戦以降、米国生産界にはノーザンダンサー、ボールドルーラー、ダンジグ、ミスタープロスペクター、ストームキャットといった大種牡馬が君臨しましたが、長期で王位を守ったのは63年から7年連続を成し遂げたボールドルーラー(通算8度)だけ。

イントゥミスチーフが、残り2カ月で逆転して「V8」となれば戦後では初の快挙、約200年に近い米国の歴史にあってもレキシントン(1860年から15年連続、通算17度)に続く偉大な記録になります。

これを阻止して逃げ切りを目論むノットディスタイムには年内デビューをめざす複数の有力2歳馬が控え、イントゥミスチーフにはB・バファート厩舎で年をまたいで3連勝して27日のG2クラークS(チャーチルダウンズ、ダート1800メートル)に臨むプルターク(牡3)という隠し玉がいて、互いに1歩も引かぬ構え。白熱のリーディング争いは年末までもつれ込むことになりそうです。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)