本格的な旅を始める前に、E-Bikeで1日何キロくらい走れるか?何度か体験しようと思っている。数週間前の50キロは問題なかったので、今回は80キロくらい走ってみたい。僕の自宅があるのは神奈川県相模原市中央区。グーグルマップに目的地を入れて何カ所かチェック、芦ノ湖へ行けるかと思ったが、往復140キロもあるのでさすがに厳しそう。そこで全行程ほぼ平地で往復80キロの江の島に決めた。

今回はヤマハ発動機からドロップハンドルのロードタイプ「YPJ-ER」とフラットバーハンドルでキャリアーとフェンダーの付いたツーリングタイプ「YPJ-TC」の2台借りることができた。今回は峠道がないのでフラットバーハンドルのTCを使ってみることにする。このところ雨続きだったが、翌日の天気予報は久しぶりに晴れマーク。遠足前の子供のような気分でベッドに潜り込んだ。

朝6時に起きて朝ごはん。昨日買っておいた肉まんを電子レンジで温め、妻のヒロコと一緒に食べる。冬になるとコンビニの肉まんが好きでよく食べるのだが、もうそんな季節になったんだなと思う。窓の外は快晴とまでいかないが、気持ちのいい青空が広がっている。自然と気持ちも高まって行く。


相模川沿いの道を南下する
相模川沿いの道を南下する

川沿いの道が獣道に変わった(笑)
川沿いの道が獣道に変わった(笑)

7時10分。ヒロコに見送られて家を出る。自宅から相模川まではいつも自転車トレーニング散歩で走っている定番コースなので、そのままトレースする。基本ゆるい下り坂が多いのでアシストの必要性は感じないが、せっかくE-Bikeに乗っているんだし、バッテリーの余裕もあるので(笑い)最も強力にアシスト力が得られる「HIGHモード」でグングン進んで行く。

この日の服装は薄い綿シャツ2枚にポリエステルのパーカ、その上にブルーのナイロンパーカを羽織っている。少し寒く感じるが、体を動かせば自然と温かくなるはずだし、気温的にもさらに下がることはないだろう。

相模川を右手に見ながら河原の道を南下する。いつもは引き返す10キロポイントを越えてそのまま進んで行くと、舗装から雑草が生い茂る砂利道になった。悪路でもコントロールしやすいフラットバーのE-Bikeなのでそのまま進んで行く。初めて見る景色がとても新鮮に感じる。

国道246号をくぐり、海老名の住宅地を抜けて、県道46号「産業道路」に出る。一気に交通量が増え旅気分から現実に引き戻される。信号待ちの渋滞の横をすり抜けて進む。このまま産業道路を南下して行けば自然と海岸線にぶつかる、しばらくは一本道なので道を間違えることもないだろう。産業道路の名の通りトラックが多く、落ち着かない。自転車は基本的に車道、追い越しのトラックに注意しながら走る。


国道1号線を越えれば国道134号も近い
国道1号線を越えれば国道134号も近い

ついに相模湾に出た
ついに相模湾に出た

道に沿ってあるのは大会社の倉庫、中小企業、住宅、コンビニ、チェーン店など、特に立ち寄りたくなる場所もないので、ひたすらペダルをこぎ距離を稼ぐ。寒川町に入り畑が広がるエリアに出ると、右手に大山の山並みが見えた。さらにその間から雪を乗せた富士山がちょこんと頭を出している。富士山が見えるとそれだけでなんだか得したような、うれしい気持ちになった。

走行距離、31キロ。茅ケ崎市柳島、海沿いを走る国道134号に到着した。この道を左折して東へ向かえば江の島に着くはず。確かこの国道より海側に自転車専用道があったはず…。歩道橋を越えて海側へ行ってみると公衆トイレがあり。その横に案の定、サイクリングロードの入り口があった。


サイクリングロードは茅ケ崎市柳島から藤沢の鵠沼海岸まで続いている
サイクリングロードは茅ケ崎市柳島から藤沢の鵠沼海岸まで続いている

サイクリングロードを外れて岩場へ降りると、再び富士山が見えた。「距離があるけど、箱根にも行ってみたいなぁ~」そんな気持ちが湧き上がってくる。サイクリングロードを走り始めると犬を散歩させる人、釣り人、サーファー、ジョギングの人など、いろんな人が歩いていた。周辺に住む人たちの憩いの場なのだろう。確かに僕も近くに住んでいたら、夫婦げんかをした日、努力が報われた朝、ヒマでしかたがない日、いろんな場面でやってくるに違いない。

サイクリングロードはかなり老化していて、路面がデコボコしていたり、砂がかぶっていて滑りやすかったりするが、とにかく車を気にせず走れるのがうれしかった。気温も徐々に上がってきて、少し汗も出るようになった。暑くもなく寒くもなく、ペダルをこぐのにちょうどいい気温だ。

家から35キロ走ったが、サイクルコンピューターを見るとバッテリーはまだ13%しか減っていなかった。ここまでアシストに負荷のかかる上り道がほとんどなかったからだろう。電力の消費は、距離よりも上り坂に左右されるようだ。


サザンビーチモニュメント「茅ケ崎サザンC」
サザンビーチモニュメント「茅ケ崎サザンC」

湘南のビーチはこんな道具までカラフル
湘南のビーチはこんな道具までカラフル

今回の目的地、江の島が見えてきた
今回の目的地、江の島が見えてきた

所々に休憩スポットや公衆トイレ、サーフボードが積めるように改良された自転車がたくさん止まっている場所は、波乗りポイントになっているようで、たくさんのサーファーが海に浮かんでいた。今日は小さな波しかないようだが、海に浮かんでいるだけでも気持ち良さそうだ。僕はカナヅチなので、そんなサーファーをうらやましく眺めた。

「サザンビーチ」「ヘッドランドビーチ」「辻堂海岸」短い距離の間にいろんな名所、海水浴場がある。今年はコロナ禍の影響から海開きをしなかったことを思い出す。今年は特別な夏だった。E-Bikeを止めて歩いて砂浜へ降りると、潮の匂いがした。

江の島はもう目の前だ。