釣ってよし、食べてよしのマイカが好調に釣れだした福井・美浜町の「美浜釣舟センター」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で7日、同沖へ出た。胴突き仕掛けとイカメタルなどに分かれて狙うと30センチ級の良型まじりでダブル、トリプルも。イカの活性はやや低めだったが、ヒットパターンをつかんだ人が数を伸ばし、竿頭は15~30センチを39匹ゲット。記者も30センチ前後の良型を中心に17匹釣り上げ、満足のいく釣行だった。

ベテランもビギナーもマイカのヒットパターンと微妙なアタリを夢中で追いかけた。日暮れとともに集魚灯がたかれると、いよいよスタートフィッシング。真っ暗な海面に明かりが煌々(こうこう)と輝き、爆釣への期待が高まる。

すぐに竿を曲げたのは船尾でイカメタルをする西脇広行さん(名古屋市)。水深10メートルで2連掛け。「シェイクした後に止めるとコツン。合わせてからまた止めるとダブルだったよ。小アタリを掛け合わせるのが面白いね」と声を弾ませる。

左舷では初めてイカ釣りをする和田愛弓さん(奈良市)がなんと胴突5本針仕掛けでトリプルゲット。「めっちゃ楽しい。はまりますね」と大はしゃぎ。水深10~13メートルで竿を上下に動かし、手元に来るアタリをとっていく。女性のしなやかな誘いに美浜沖のイカがくびったけのようだった。

だが、釣れない人もいる。たくさんのイカが浅ダナまで浮いてきているのだが、活性がいまひとつ上がらない。エギやスッテの種類やカラー、タナや誘いのパターンがうまくはまった人だけが釣果を伸ばす。それがマイカ釣りの醍醐味(だいごみ)だ。

右舷の後方では種村浩二さん(彦根市)が午後9時半ごろから猛チャージ。狙いは水深15~20メートル。「胴突き6本針仕掛けをゆっくり落としてイカをひきつけ、止めると入れ掛かりです。一番下に赤テープの茶色エギを付けるのが効くんですよ」とにっこり。

オモリグ(三つまたサルカンに20号のオモリを付け、エダスにエギを付けたもの)の記者は上層でなかなか乗らないのでボトムを狙うと大当たり。8連続で30センチ前後を釣り上げてにんまり。ただ、水深が深い(80メートル)ので手返しが悪すぎる。

隣で操船の合間に竿を出す高橋正浩船長は水深10メートル前後を狙い撃ち。「イカは浅ダナを釣らないと数が伸びないよ」と筏のチヌ釣りに使う繊細な竿でアタリを次々にキャッチ。まるで漁師のように釣っていく。

結局、種村さんが午前0時すぎまでに15~30センチを39匹で竿頭。「マイカ釣りはヒットパターンを追求するのが面白い。食べてもおいしいし、最高ですわ」などと、釣り談議に花を咲かせながら沖をあとにした。【近江康輔】

【今後の見通し】初期は数、型ともに狙える好機。取材日は荒れ後のせいかイカの反応が鈍かったが、その後は釣果が上向いており、竿頭で60匹以上釣っている日もある。梅雨明けから最盛期を迎え、お盆のころには西から新たな群れも入り、晩秋まで釣れ続く。

【問い合わせ】美浜釣舟センター【電話】0770・32・1308。マイカ釣りの乗合船料金は1万2000円(氷付き)。午後5時半に集合、同6時に出船(季節により変動)。

【交通】舞鶴若狭自動車道の若狭三方ICを出て、国道27号に入り、敦賀方面へ。金山の信号を左折し、県道215号へ。突き当たりを左折。県道214号を道なりに走ると左側に美浜釣舟センターの受付事務所がある。