10月20日(日)に相模湖で予定されていたブラックバス選手権決勝は、11月9日(土)に変更になりました。相模湖「柴田」周辺の道路が通行止めになったことが原因。さて、そんな相模湖は、バスの居場所を探すだけでも大変だ。ラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表は順調に勝ち進んでいるが、見つけにくい相模湖のバス、どう探す?

相模湖「柴田」から紹介されたのは緒方翔悟さん(26)だ。出身は佐賀県。今、何かと話題のラガーマンだ。

入学した佐賀工はラグビーの名門校で、花園には1~3年で3年連続出場。全国ベスト8も経験している。背番号は「13」でセンター。ガッチリした体格ながら、快足を飛ばしてトライを量産していた。うろちょろと走り回ることから「タンク」とのニックネームがついていた。

高校卒業後、就職し神奈川県民となり、県社会人リーグでラグビーを続ける一方、ブラックバス釣りも大好きで「柴田」に通っていた。今はラグビーのジャージーは脱いで、バスに熱中している。

緒方さん 佐賀の野池でバスなんか簡単だぜ、と思って相模湖に来て、打ちのめされた。W杯でコテンパンに負けていた今までの日本代表と同じです。始めて1年ぐらいは、40センチ以上が釣れなくてもん絶していました。でもね、みなさん、世界を相手にトライを決める日本代表みたいに相模湖でバス、釣れますよ。

台風に荒らされたり、水温も落ち着いておらず、今の時期、とっても難しいのだ。

「秋はタナを釣れ」。

これは釣りの格言だが、バスも同じだ。

緒方さん 夏の暑さがまだ湖の中には残っていて、そう簡単には水温は下がりません。その中でバスが涼しさを求めてどこに移動するのか。いろいろ先回りをして想像するんです。まず相手を知る。アイルランドだって、スコットランドだって、南アフリカだって、必ず弱点はある…バスも同じ。バスがその日はどのレンジ(層)にいるのか。そこを探ってみましょう。

探るにはラバージグや軽いメタルジグなどもあるが、緒方さんのオススメは、スピナーベイト。キラキラしたブレードが回転して、バスにアピールするし、フォール(ルアーを落とし込むこと)させて、コツンとか反応があれば、その層を覚えておいて、そのレンジを重点的に探ってみる。

緒方さん ハイパントを上げて、落下地点から再び攻撃を繰り広げていく。様子を探るプレーは、直接得点につながる。スピナーベイトが落ちていくときに、神経をとがらせ、バスがいるレンジさえ分かれば、そこを重点的に流していけばいい。

ただし、簡単ではないのがバスのいるレンジがその日によって変わるからだ。

緒方さん 事前にプラ(プラクティス=試釣)をして、どんな地形なのか、流れ込みがどこにあるのか、岬周辺や岩盤周りとか、アシもあちらこちらに群生しているから縦方向に攻められる場所を数多く蓄積しておくといいですね。スクラムのまま押し切るのか、はたまたラインを組んでボールを回すのか、バス攻略はやっぱりラグビーに似ているかもしれない。

6日にはトライアウトが実施された。予選各地で敗退した6人が集まり、上位3人が決勝に進んだ。44・5センチ(1890グラム)を含む2匹で2850グラムの釣果を残した福島隆之さんは「ラバージグで50センチずつ落として、アタリがあるかどうか探ってみました。桟橋に近いアシ際ですね。このレンジを見つけるのは難しいけど、当たったときには日本代表がトライを決めたときの衝撃にも似てる。南アフリカも撃破してほしい」と話した。

バス決勝は、今月20日から11月9日に延期となった。そのころには水温も落ち着いて、今よりも魚は動きそうだ。相模湖でのバス選手権決勝も、日本代表に負けない熱戦を期待したい。【寺沢卓】

▼ボート 相模湖「柴田」【電話】070・3660・6363。ボートは3500円~。

▼決勝概要 受け付け午前5時。スタート同6時。携帯メールによる釣果報告同8時30分と同11時。帰着&検量午後1時。事前検量は認めるが、検量したバスの入れ替えは不可。検量は3匹総重量と最大のバスの長寸を計測。

予選は西湖「白根」、精進湖「湖畔荘」、亀山湖「ボートハウス松下」、河口湖「ハワイ」、相模湖「柴田」、新利根川「松屋」の6地区。トライアウトは柴田で今月6日に実施済み。

優勝者にはシード権が与えられ、来年の予選を戦わずに決勝に招待される。